地方財政状況調査とは、総務省が毎年度全地方公共団体を対象に実施する決算に関する統計調査である(地方財政法第30条の2)。
全国の自治体の決算を共通の様式で集計し、財政の全体像を把握する仕組みが地方財政状況調査である。実務では決算統計の通称で呼ばれる。地方財政法第30条の2に基づき、総務大臣が毎年度、地方公共団体の財政状況を調査するために行うもので、各団体は普通会計に組み替えた歳入歳出の決算データを定められた様式で報告する。各団体ごとに異なる会計区分を普通会計という共通の枠組みに統一して集計するため、団体間の比較や全国集計が可能になる。この調査の結果は、実質収支・経常収支比率・財政力指数といった財政指標の算定や、地方財政白書の作成、地方財政計画の策定の基礎資料となる。各団体にとっては、自団体の財政指標が全国・類似団体と比べてどの位置にあるかを把握する基礎データであり、財政分析の出発点となる。
普通会計への組替えと比較可能性
地方財政状況調査の特徴は、各団体の決算を普通会計という共通の概念で組み替えて集計する点にある。地方公共団体の会計は一般会計と多数の特別会計に分かれ、その範囲は団体ごとに異なる。そこで、一般会計と公営事業会計以外の特別会計を一定の基準で統合した「普通会計」を設定し、全団体を同じ土俵で比較できるようにする。これにより、団体間で重複する繰入れ・繰出しを控除した純計や、全国・都道府県別・団体規模別の集計が可能になる。普通会計は決算統計上の概念であり、各団体が予算・決算で実際に用いる会計区分とは異なる点に注意を要する。
財政指標と地方財政白書の基礎
地方財政状況調査の集計結果は、地方財政分析の根幹をなす基礎データである。実質収支比率・経常収支比率・財政力指数・公債費負担比率といった財政指標は、いずれもこの調査で得られる普通会計の決算数値から算定される。総務省はこの集計を基に地方財政の状況を国会に報告する地方財政白書を作成し、翌年度以降の地方財政計画の策定や地方交付税の算定の基礎資料としても用いる。各団体にとっては、自団体の財政力指数や経常収支比率が類似団体と比べてどの水準にあるかを示す共通の物差しを提供するものであり、財政の健全性を点検する出発点となる。
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