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ジチテン

再エネ促進区域

読み:さいえねそくしんくいき

意味

再エネ促進区域とは、地球温暖化対策推進法に基づき、市町村が地球温暖化対策実行計画(区域施策編)において定める、太陽光発電などの地域脱炭素化促進事業の実施が見込まれ、かつ環境の保全に支障を及ぼさないと見込まれる区域(促進区域)をいう。

再エネは「どこなら歓迎されるのか」を、行政が先に示せないか。山林を切り開くメガソーラーへの住民反対や災害リスクへの懸念から、再エネ施設を規制する条例が相次ぎ、脱炭素の旗振り役であるはずの自治体が立地の壁にもなるというねじれが生じた。2021年改正地球温暖化対策推進法(2022年施行)が導入した促進区域は、この状況への答えとして、環境や景観、防災に支障のない区域をあらかじめ市町村が示す「ポジティブゾーニング」の仕組みである。区域内で市町村の認定を受けた地域脱炭素化促進事業には、環境影響評価法の配慮書手続の省略や、自然公園法温泉法森林法、河川法、農地法廃棄物処理法に係る許可等手続のワンストップ化という特例が与えられる。事業者には手続の予見可能性を、地域には環境保全と経済循環への貢献を約束させる交換条件型の制度だが、区域設定に踏み切った市町村は全国のごく一部にとどまっている。

認定のうまみは手続特例と「地域との約束」

促進区域の効果は、区域内の事業計画を市町村が地域脱炭素化促進事業計画として認定したときに発動する。認定事業は、環境影響評価法の計画段階配慮事項(配慮書)の手続が省略され、自然公園法、温泉法、森林法、河川法、農地法、廃棄物処理法に基づく許可等の手続が市町村経由のワンストップで処理される。引き換えに、事業計画には地域の環境保全への配慮に加え、売電収益の地域還元や災害時の電力供給といった地域経済・社会への貢献策を記載させる。乱開発型の再エネと「地域と共生する再エネ」を制度的に選別する仕掛けであり、単なる立地誘導図ではない。

なぜ区域設定が進まないか

促進区域を定めるには、環境省令の基準と都道府県が定める環境配慮基準を踏まえ、土砂災害のおそれのある区域などの除外要件を地図上で重ね合わせ、残った候補地について住民・農林漁業者との合意形成を行う必要がある。この線引き作業の負担が小規模市町村には重く、設定しても事業者が来る保証はないため、労力対効果が読みにくい。先行例でも、ため池や公共施設の屋根といった紛争リスクの小さい場所に限定して小さく始める手法が目立つ。一方で太陽光パネル設置規制条例との併用は珍しくなく、「ここ以外は規制、ここなら歓迎」という二枚看板で立地紛争の総量を減らすのが、現時点での現実的な使い方になっている。

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