公務員は採用されて職務に就いた瞬間から、私企業の従業員にはない数多くの制約を負う——その制約の全体像を指すのが服務であり、職員研修や懲戒処分の場面で最も頻繁に参照される領域である。服務は、職務の遂行に伴って生じる職務上の義務(法令等及び上司の職務命令に従う義務、職務専念義務など)と、職員という身分そのものに伴う身分上の義務(信用失墜行為の禁止、守秘義務、政治的行為の制限、争議行為の禁止、営利企業への従事制限など)に大別される。実務では、上司の出した職務命令にどこまで従う義務があるか(重大かつ明白な違法でない限り従う義務がある)、許可を得ずに副業として行える兼業の範囲はどこまでか、勤務時間中の組合活動が職務専念義務に反しないかといった具体的判断が問われる。これらの義務違反は懲戒処分の根拠となり、場合によっては罰則も伴う。服務の宣誓を行わせるのは、こうした規律を職員に自覚させる入口の手続である。
職務上の義務と身分上の義務
服務は、職務遂行に直接かかわる職務上の義務と、職員の身分に由来する身分上の義務とに整理される。前者には、法令・条例・規則および上司の職務命令に従う義務や、勤務時間中に職務に専念する義務が含まれる。後者には、職の信用を傷つけない信用失墜行為の禁止、職務上知り得た秘密を守る守秘義務、政治的行為の制限、営利企業への従事等の制限などがある。職務上の義務は在職中の勤務に、身分上の義務は退職後にも一部及ぶ点(守秘義務など)で性質が異なる。
職務命令と兼業の規律
職務命令は、上司が指揮監督権に基づき部下に発する命令であり、職員はこれに従う義務を負うが、命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合には従う義務がないと解される。兼業(営利企業への従事等)は、職務専念義務や職の公正への信頼を損なうおそれがあることから、任命権者の許可がなければ原則として認められず、許可基準の運用が各団体の服務管理上の実務課題となっている。
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