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ジチテン

中選挙区

読み:ちゅうせんきょく

別名:中選挙区制
意味

中選挙区とは、1つの選挙区から概ね2人から5人を選出する選挙区である。1人を選ぶ小選挙区と、それより多くを選ぶ大選挙区の中間に位置づけられる区割りである。

かつての衆議院議員選挙は、1選挙区から3人から5人程度を選ぶ区割りで行われていた。これが中選挙区であり、有権者は1票を投じ、得票の多い順に複数の当選者が決まる単記非移譲式投票が採られていた。1選挙区から1人だけを選ぶ小選挙区に比べ、少数政党や同一政党の複数候補が議席を得やすく、死票が相対的に少ない。一方で、同じ政党の候補者どうしが同一選挙区で議席を奪い合う構図を生み、派閥や個人後援会を軸とした選挙が常態化したと指摘された。1994年の公職選挙法改正で衆議院は小選挙区比例代表並立制へ移行し、衆議院議員選挙の中選挙区制は廃止された。自治体実務では、市町村合併前の旧町村単位を踏まえた地方議会の選挙区設定など、複数人を選ぶ区割りの考え方を理解する前提として押さえておく必要がある。

中選挙区が政党内競争を生む仕組み

中選挙区の特徴は、1つの選挙区で複数の議席を争いながら、有権者が候補者1人にしか投票できない単記非移譲式である点にある。過半数の議席獲得を目指す政党は、1選挙区に複数の候補者を擁立せざるをえない。すると同じ政党の候補者どうしが票を奪い合い、政策ではなく地縁・人脈・利益誘導で差をつける個人本位の選挙になりやすい。派閥が候補者の擁立や資金を支え、後援会が日常的な集票機能を担う構造は、この区割りの帰結として説明される。政党よりも個人を選ぶ投票行動が固定化し、政権交代が起きにくいという批判が、衆議院での制度変更を後押しした。

地方議会の選挙区との関係

衆議院議員選挙の中選挙区制は廃止されたが、複数人を選出する区割りの考え方は地方議会の選挙区に残っている。都道府県議会や市議会では、行政区や旧市町村の区域を単位として選挙区を設け、人口に応じて2人から数人の定数を割り当てる例が一般的である。1選挙区から複数を選ぶ点で中選挙区と同じ性質を持ち、選挙管理委員会は定数配分や区域設定を条例で定める事務を担う。市町村合併に伴う選挙区の見直しや、定数不均衡をめぐる議論を理解するうえで、複数人選出区の仕組みを知っておくことは欠かせない。1選挙区から1人を選ぶ小選挙区とは異なり、複数を選ぶ区割りでは少数派の声も議席に反映されやすく、地方議会の多元的な構成を支える基盤にもなっている。

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