大選挙区とは、一つの選挙区から二人以上の議員を選出する選挙区の方式をいう。
一つの選挙区から何人を選ぶかによって、議席配分や候補者の戦い方は大きく変わる。大選挙区は、選挙区の区域を広くとり複数人を選出する方式で、市町村の議会議員選挙では原則として市町村の区域全体を一つの選挙区とする大選挙区制がとられている。一人だけを選ぶ小選挙区と異なり、得票が分散しても上位の複数候補が当選できるため、少数意見を代表する議員も議席を得やすい。投票方法は、有権者が候補者一人の氏名を書く単記制が原則であり、これにより死票が比較的抑えられる一方、同一会派内で候補者が共倒れするおそれもある。指定都市など区域が広い団体では、条例によって区域を分けて複数の選挙区を設ける場合があり、その場合も各選挙区から複数を選ぶ大選挙区の性格は維持される。
地方議会で大選挙区が原則とされる理由
公職選挙法は、市町村議会議員の選挙について、原則として市町村の区域を一つの選挙区とする大選挙区制を採用している。これは、地域の代表ではなく住民全体の代表として議員を選ぶという地方議会の性格や、比較的少数の議員で多様な住民意見を反映させる要請に基づく。ただし、指定都市の市議会議員選挙では行政区を選挙区とし、その他の市や特別区でも条例で選挙区を設けることができるため、実際には区域を分割した選挙区が併存することがある。
単記非移譲式投票との結び付き
大選挙区であっても、日本の地方選挙では有権者が候補者一人の氏名のみを記載する単記非移譲式の投票が用いられる。定数が複数あるのに一票しか投じられないため、各候補者は当選に必要な票だけを固めればよく、組織的な票割りや支持層の分散が当落を左右する。この仕組みは、特定の地域や団体を基盤とする候補者が比較的少ない得票でも当選できる一方、票読みを誤れば、支持を共有する候補者どうしが票を食い合って共倒れする不安定さをもたらす。政党や会派が候補者を絞り込む調整に動くのも、こうした単記制の特性に起因する。
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