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単記非移譲式投票

読み:たんきひいじょうしきとうひょう

別名:単記非移譲式別名:単記制
意味

単記非移譲式投票とは、有権者が候補者一人の氏名のみを記載して投票し、その票を他の候補者へ移譲しない投票方法をいい、日本の地方選挙の大選挙区で用いられる。

一つの選挙区から複数人を選ぶ大選挙区で、有権者に何人まで書かせ、その票をどう扱うかには複数の方式があり、日本の地方議会議員選挙が採るのが単記非移譲式投票である。有権者は定数が複数あっても候補者一人の氏名しか書けず、得票の多い順に定数まで当選人が決まる。

この方式では、票が他の候補者へ移譲されないため、同一会派・同一政党の候補者が票を食い合って共倒れする現象が起こりうる。逆に、組織票を持つ候補者が少数の得票でも当選しやすく、特定の支持基盤を背景とする候補者に有利に働く。完全連記制や制限連記制のように複数名を記載させる方式と対比される投票方法であり、政党や会派が候補者の擁立数を絞り込んで票を配分する選挙戦略は、この単記非移譲式の特性に由来する。市区町村議会・都道府県議会の議員選挙で広く用いられている。

単記非移譲式の仕組みと共倒れ

単記非移譲式投票は、定数が複数ある大選挙区において、有権者が候補者一人の氏名のみを記載し、その票は記載された候補者にのみ計上されて他者へ移譲されない投票方法である。英語の Single Non-Transferable Vote から SNTV とも呼ばれる。当選人は得票の多い順に定数まで決まる。日本では都道府県議会・市区町村議会の議員選挙の大選挙区で採用されている。票が移譲されないため、同一政党・同一会派が当選可能数を超える候補者を擁立すると、支持票が分散して共倒れする危険があり、逆に擁立を絞りすぎると獲得しえた議席を取り逃がす。このため政党や会派は、選挙区の議席数と見込み得票を踏まえて擁立人数を調整し、支持者に対して候補者ごとの投票の割り振りを働きかけることがある。

他の投票方法との対比と評価

複数人を選ぶ選挙区での投票方法には、有権者が定数と同数の候補者名を書く完全連記制、定数より少ない一定数まで書ける制限連記制、本方式のように一人だけ書く単記制があり、さらに移譲式(記載順に票を移し替える単記移譲式投票)も理論上は存在する。日本の地方選挙が単記非移譲式を採るのは、有権者の負担が小さく集計も単純である一方、少数派でも一定の組織票があれば議席を得やすく多様な代表を生むという特性による。半面、得票と議席の対応が連記制ほど明確でなく、組織力の差が結果を左右しやすいとの指摘もある。地方議会の会派構成が候補者擁立の段階から票割りの調整に強く規定されるのは、この投票方法の構造的な帰結である。

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