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ジチテン

在外選挙制度

読み: ざいがいせんきょせいど

意味

在外選挙制度とは、仕事や留学などで国外に住む日本国民が、国政選挙投票できるようにするための選挙制度である。在外選挙人名簿への登録を入り口に、在外公館投票、郵便等投票、帰国投票などの投票方法を用意する。

国外に住んでいるという理由だけで国政に意思を示せないのは、国民主権の建前と釣り合わない。在外選挙制度は、1998年の公職選挙法改正で創設され、2000年の衆議院議員総選挙比例代表選挙で初めて投票が実現した。

投票するには、まず最終住所地などの市区町村選挙管理委員会が管理する在外選挙人名簿に登録し、在外選挙人証の交付を受ける必要がある。当初は比例代表に限られていたが、2005年の最高裁大法廷判決が選挙区選挙で投票できない状態を違憲と判断したことを受けて対象が広げられ、現在は衆議院・参議院の選挙区選挙でも投票できる。登録事務を担うのは在外公館ではなく国内の市区町村選管であり、住民が国外へ転出するときの手続と結びついている。

制度の成り立ちと最高裁違憲判決

在外選挙制度は1998年の公職選挙法改正で創設され、2000年から投票が始まったが、当初は衆議院・参議院の比例代表選挙に限られていた。これに対し、選挙区選挙で投票できないのは選挙権の侵害だとして争われた訴訟で、最高裁判所大法廷は2005年9月、在外国民に選挙区選挙の投票を認めていない公職選挙法の規定を違憲と判断した。この判決を受けた2006年の法改正で、衆議院小選挙区と参議院選挙区にも対象が拡大され、2007年の参議院選挙から選挙区での在外投票が可能になった。国民の選挙権をめぐる代表的な違憲判決の一つとして知られる。

登録と在外選挙人証

在外選挙で投票するには、あらかじめ在外選挙人名簿への登録が要る。登録には、国外への転出前に国内の市区町村窓口で申請する出国時申請と、転出後に居住地を管轄する在外公館に申請する在外公館申請の二つの方法がある。登録が認められると、在外選挙人証が交付され、これが在外投票の際の本人確認と資格確認の証票になる。在外選挙人名簿は最終住所地の市区町村選挙管理委員会が調製・管理し、帰国して国内の選挙人名簿に登録されると在外選挙人名簿からは抹消される。名簿の管理を市区町村が担う点で、在外選挙制度は自治体の選挙事務と直接つながっている。

投票方法と低い投票率

在外投票には、居住地を管轄する在外公館に出向いて投票する在外公館投票、投票用紙を郵送でやり取りする郵便等投票、選挙の時期に帰国している場合の帰国投票がある。制度の対象となる在外有権者は100万人規模と推計される一方、在外選挙人名簿への登録者は十数万人にとどまり、実際の投票率も国内に比べて著しく低い。在外公館が遠い、郵便のやり取りに時間がかかり投票が締切に間に合わない、といった物理的な障壁が背景にある。投票機会の保障と手続の負担軽減をどう両立させるかが、制度に残る課題である。

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