出向とは、職員が在籍する団体の身分を保ったまま、または一旦退職して、国や他の地方公共団体、外郭団体などへ異動し、その機関の職務に従事することをいう。
国の府省や都道府県、市町村の間では、職員を相互に派遣しあう人事交流が日常的に行われている。出向には在籍したまま他団体の職を兼ねる形と、いったん退職して相手方に採用される形がある。市町村職員が都道府県へ出向すれば広域行政の視点を学び、都道府県職員が市町村へ出向すれば現場の実務を知る、といった人材育成の効果が期待される。出向先での給与負担をどちらが持つかは協定で定められ、出向期間は2年から3年程度が一般的である。外郭団体や一部事務組合への出向も広く行われている。
在籍出向と退職派遣
在籍出向は元の団体に身分を残したまま相手方の職務に従事する形で、復帰が予定される。これに対し公益的法人等への派遣では、いったん退職して派遣先に身分を移す方式がとられることがあり、根拠となる法律に基づき身分の取扱いや復帰の手続が定められる。公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律は、外郭団体などへの派遣について、職員の同意・派遣期間・復帰後の処遇・給与の負担関係などを定めており、身分を保ったままの派遣と退職を伴う派遣のいずれによるかで、年金や退職手当の通算の扱いが変わる。
人事交流の意義
団体の枠を越えた人事交流は、職員に異なる行政分野や規模の組織を経験させ、視野を広げる。国と地方、都道府県と市町村の相互理解を進め、政策連携の素地をつくる効果も持つ。国の府省や都道府県への出向で得た知識や人的なつながりは、復帰後の業務や国・他団体との調整に生きる。一方で出向は欠員を生むため送り出す側の負担となり、出向先の業務に偏った経験が元の団体で必ずしも生かせないこともあり、交流の規模と人材育成の効果の釣り合いが運用上の論点となる。
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