工場の排出基準違反は、設備の不備よりも社内に公害防止の責任を担う人がいないことから起きやすい——そこに着目し、一定規模以上の特定工場に対して公害防止を担う役職の選任を義務づけたのが公害防止組織である。具体的には、工場全体の公害防止業務を統括する公害防止統括者、技術的事項を管理する国家資格者である公害防止管理者、両者を補佐する公害防止主任管理者などを置き、人の配置によって日常的な監視と是正の体制を工場内に組み込む。対象となるのは、ばい煙発生施設や汚水等排出施設、騒音・振動・粉じんを生じる施設を持つ製造業などの特定工場で、業種と規模に応じて選任すべき役職が政令で定められている。自治体の環境部局にとっては、立入検査や届出受理の際に組織の選任状況を確認する点で実務上の接点が多い。選任を怠れば罰則の対象となるため、事業者にとっては設備対策と並ぶ法令遵守の柱となる。
役職の構成——統括者・管理者・主任管理者
公害防止組織は、工場の規模や排出する公害の種類に応じた複数の役職で構成される。最上位に位置するのが工場全体の公害防止業務を統括管理する公害防止統括者で、原則として工場長など事業の実施を統括管理する者が充てられる。その下に、ばい煙・汚水・騒音・振動・粉じんといった分野ごとの技術的事項を管理する公害防止管理者が置かれ、これは国家試験または資格認定講習を経た有資格者でなければならない。一定規模以上の工場では、両者の間で連絡調整を担う公害防止主任管理者を置くことが求められる。
自治体実務との接点——選任の届出と確認
特定工場の設置者は、これらの役職を選任したときは都道府県知事等に届け出る必要があり、選任を怠ったり届出をしなかったりした場合は罰則の対象となる。自治体の環境部局は、大気汚染防止法・水質汚濁防止法に基づく立入検査や届出審査の場面で公害防止組織の整備状況を確認することが多く、組織の形骸化は排出基準の遵守体制の弱さに直結すると捉えられる。
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