一般職の職員の給与に関する法律(給与法)とは、一般職の国家公務員の俸給表・諸手当の種類と額など給与に関する事項を定める法律である(昭和25年法律第95号)。
自治体の給与担当が国の「給与法改正」を毎年注視するのはなぜか。地方公務員の給与は条例で定めるが、その水準と構造は国家公務員の給与制度との均衡を基準に組み立てられており、その国家公務員給与の正本がこの法律だからである。国家公務員の給与は法律で定めなければならず(給与法定主義)、本法が行政職俸給表をはじめとする俸給表と、地域手当・扶養手当・住居手当・期末勤勉手当などの諸手当を規定する。毎年の人事院勧告を受けて本法の改正案が国会に提出され、成立すると4月に遡って給与が改定されるのが通例の年次サイクルで、地方は人事委員会勧告と条例改正でこれに追随する。地方公務員給与の高低を測るラスパイレス指数も、本法の行政職俸給表(一)適用職員の給与を100とする比較であり、本法は地方の給与制度にとって事実上の「ものさし」として機能している。
給与条例主義との対応関係
国家公務員の給与は法律(本法)で、地方公務員の給与は条例で定める。形式は違うが、どちらも「住民・国民の代表が議決した規範でしか給与を決められない」という民主的統制の同型の仕組みであり、地方公務員法第24条の均衡の原則を介して内容面でも連結している。実務の年次サイクルは、8月の人事院勧告、秋の臨時国会での給与法改正、各団体での人事委員会勧告(または国準拠の判断)と12月議会での給与条例改正、という順で流れる。国の改定率や手当の見直しが地方の条例改正の出発点になるため、給与担当は本法の改正内容を条文単位で確認することになる。
俸給表と諸手当が地方の準拠枠になる
本法は職種ごとに行政職・公安職・税務職・医療職などの俸給表を定め、級と号俸のマトリクスで俸給月額を規定する。地方の給料表の多くはこの構造を踏襲しており、特に行政職俸給表(一)は地方の行政職給料表の原型である。地域手当の支給割合(最高20%)と級地区分、扶養手当・住居手当・通勤手当の支給要件と限度額も、本法と人事院規則の定めに準じて条例設計されることが多く、国の手当見直し(2006年の地域手当創設や配偶者に係る扶養手当の縮減など)は、数年遅れも含めてそのまま地方の検討課題になってきた。
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