育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
読み:いくじきゅうぎょうかいごきゅうぎょうとういくじまたはかぞくかいごをおこなうろうどうしゃのふくしにかんするほうりつ
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)とは、民間労働者の育児休業・介護休業・子の看護等休暇などの両立支援制度と、不利益取扱いの禁止や雇用環境整備の義務を定める法律である(平成3年法律第76号)。
自治体職員がこの法律を引く場面は二通りある。一つは自分や同僚の休業の根拠を探したときで、このとき答えは「地方公務員には適用されない」が出発点になる。本法第61条の2は育児休業・介護休業などの章を地方公務員に適用しないと定め、職員の育児休業は地方公務員の育児休業等に関する法律、介護休暇などは国の制度に準拠した条例が受け持つ。もう一つは行政・事業主側の立場で、指定管理者や委託先・地域の事業主の労務を扱うとき、また会計年度任用職員からの相談で民間制度と比較するときに、民間法制の正本として参照する。1991年に育児休業法として制定され、1995年に介護休業を加えて現在の題名になった。原則1歳までの育児休業、通算93日を3回まで分割できる介護休業、時間単位で取れる子の看護等休暇・介護休暇、所定外労働の制限、妊娠・出産・休業取得を理由とする不利益取扱いの禁止やハラスメント防止措置を一体で定めている。
公務員への適用関係
本法は第61条で国家公務員を、第61条の2で地方公務員を、育児休業・介護休業など中核の章の適用から除外する。代わりに、国家公務員は国家公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第109号)と勤務時間法・人事院規則が、地方公務員は地方公務員の育児休業等に関する法律と各団体の条例が同等の制度を別建てで用意する構造になっている。窓口・電話相談で職員から「育休は2歳まででは」と聞かれたら民間制度と混同している合図であり、公務員は3歳まで(手当金は1歳まで)という別体系を案内することになる。逆に現業の労働者性が強い職種や特定地方独立行政法人の職員など、区分によって適用関係が細かく分かれるため、判断に迷う任用区分は条文と条例を対で確認するのが安全である。
度重なる改正で広がる事業主義務
2021年改正(2022年施行)では男性の取得を想定した出生時育児休業(産後パパ育休)と育児休業の分割取得が導入され、従業員1,000人超の企業に取得状況の公表が義務付けられた。2024年改正では公表義務が300人超に拡大され、子の看護休暇は学級閉鎖や入園式等にも使える「子の看護等休暇」へ改められ、介護離職防止のための雇用環境整備や個別周知が事業主の義務になった。これらの民間の制度拡充は人事院勧告・条例改正を経て公務にも波及するのが通例で、公務側の制度見直しを予告する先行指標として読める。
つながりのある用語
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