営繕とは、庁舎や学校といった建築物及びその附帯施設の建設、修繕及び模様替を行うことをいう。
自治体の組織図にある「営繕課」は何をする部署か。営繕とは建築物とその附帯施設の建設、修繕及び模様替の総称であり、庁舎・学校・公営住宅・消防署といった公共建築を新しく建て、直し、つくり替える仕事を指す。国の機関については官公庁施設の建設等に関する法律第2条が「営繕」を建築物及びその附帯施設の建設、修繕及び模様替と定義しており、自治体もこの用語法を共有している。実務では、施設を所管する事業課(教育委員会、福祉部局等)が予算と事業を持ち、営繕部門が設計・積算・発注・工事監理・検査という技術的な執行部分を引き受ける分業が一般的である。道路や下水道のような土木構造物の整備とは技術体系が異なり、営繕は建築・電気・機械の技術職員が担う建築系の領域を指す。公共施設の老朽化が進むなかで新築より修繕・改修の比重が高まっており、営繕部門の業務は施設の長寿命化対策の実働部隊としての性格を強めている。
国の官庁営繕と統一基準
国土交通省官庁営繕部は、官公庁施設の建設等に関する法律に基づき国家機関の建築物の営繕を担い、その過程で公共建築工事標準仕様書や公共建築工事積算基準といった技術基準を整備している。これらは統一基準として各省庁の営繕に共通で用いられるだけでなく、都道府県・市町村の公共建築工事でも広く準用されており、自治体の営繕部門が仕様書や積算を組み立てる際の事実上の標準になっている。標準仕様書が建築工事編、電気設備工事編、機械設備工事編に分かれる構成は、営繕工事の発注で建築・電気・機械の三分野ごとに設計図書を整える実務に対応している。自治体が独自の標準仕様書を持たない場合、入札公告や特記仕様書で国の標準仕様書の最新版を適用する旨を明示するのが通例である。
事業課と営繕部門の分業
営繕部門の働き方の特徴は、自らは事業予算を持たず、施設を所管する事業課からの依頼を受けて技術的な執行を担う点にある。学校の増築なら教育委員会が、保育所の改修なら子育て部局が予算と事業計画を所管し、営繕部門は設計(または設計委託の管理)、積算、工事発注の技術審査、工事監理、完成検査を引き受ける。この分業により、建築基準法や消防法への適合、工事費の妥当性といった技術判断を全庁で一定の水準に保つことができる。一方、技術職員を確保できない小規模町村では専任の営繕部門を置けず、事業課の事務職員が直接発注したり、都道府県の支援制度や外部の発注者支援業務を利用したりする例がある。公共施設マネジメントの進展に伴い、営繕部門が保全計画の策定や施設情報の一元管理まで担う団体も出てきている。
つながりのある用語
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