子育て世帯訪問支援事業とは、児童福祉法第6条の3第19項に基づき、要支援児童の保護者や特定妊婦などの居宅を訪問支援員が訪れ、調理や掃除などの家事、養育の援助、相談・助言を行う事業である。2024年4月施行の改正児童福祉法で家庭支援事業の一つとして法定化された。
育児と家事が回らなくなり家庭が荒れ始めていても、保育所にも児童相談所にもつながらない家庭がある。子育て世帯訪問支援事業は、そうした家庭の居宅へ訪問支援員を派遣し、調理・掃除・買い物といった家事援助や、子どもの世話の補助、養育に関する相談・助言を直接届けるホームヘルプ型の支援である。対象は要支援児童・要保護児童とその保護者、特定妊婦のほか、家事や育児を担うヤングケアラーのいる家庭も含まれ、本人からの申請を待たずに市町村が利用勧奨や措置で支援を入れる経路(家庭支援事業)が用意されている。専門職による指導を主眼とする養育支援訪問事業と異なり、生活そのものを支える労働力を家庭に補う点が持ち味で、支援員には市町村の研修を受けた住民やヘルパー事業者が当たる。利用料は市町村が設定し、低所得世帯には減免を設けるのが通例である。
養育支援訪問事業との役割分担
名前の似た訪問型支援に養育支援訪問事業がある。養育支援訪問事業は、養育が困難な家庭に保健師・助産師・保育士などの専門職を派遣し、育児に関する専門的な相談指導を行うことを中心とする事業で、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)で把握されたリスク家庭のフォローを典型とする。これに対し子育て世帯訪問支援事業は、指導よりも家事・育児の実働の援助に軸足を置き、訪問支援員が調理や掃除、きょうだいの世話などを実際に担う。「教える支援」と「手を動かす支援」という補完関係にあり、同一家庭に両方が入ることもありうる。2024年改正前は国の補助事業(ひとり親家庭等日常生活支援事業など)や市町村単独事業で部分的に行われてきた機能を、虐待予防の在宅支援として児童福祉法上の事業に格上げしたものであり、市町村には担い手となる事業者・支援員の確保が実施上の課題になる。
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