ジチテン

ひとり親家庭

読み:ひとりおやかてい

意味

ひとり親家庭とは、離婚・死別・未婚等の理由により父親または母親の一方と18歳未満(在学中は20歳未満)の子どものみで生計を営む家庭のことである。母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和39年法律第129号、平成26年改正で父子家庭を明示的に対象化)に基づく施策の対象で、児童扶養手当・母子父子寡婦福祉資金貸付・就業支援等の制度が適用される。

日本のひとり親家庭は約120万世帯(2021年国民生活基礎調査)に上り、その9割近くを母子家庭が占める。ひとり親家庭の相対的貧困率は子どものいる世帯全体の平均を大きく上回り、経済的困窮・子どもの教育機会の格差・親の就業困難が相互に絡み合った複合的な困難を抱えやすい。こうした世帯の生活を支えるため、現金給付・相談・就業・住まいにわたる施策が市区町村を窓口として用意されている。

市区町村のひとり親家庭支援は、子ども家庭センター・家庭児童相談室での相談支援、児童扶養手当の認定・支給、保育所等への優先入所、母子生活支援施設による入所支援、ハローワークと連携した就業・資格取得支援を柱として構成される。これらを単発でなく組み合わせ、相談を入口に世帯の状況に応じた支援へつなぐ伴走型の体制づくりが市区町村で進められている。

児童扶養手当の仕組み

児童扶養手当は児童扶養手当法(昭和36年法律第238号)に基づき、父または母と生計を同じくしていない18歳未満の子どもを監護する母・父・養育者に支給される手当である。手当額は子どもの数・監護親の所得に応じて決まり、全部支給(所得が低い場合)・一部支給(所得が一定以上の場合)・支給外(所得が限度額を超える場合)に区分される。認定・支給事務は市区町村(都道府県が財源の1/3・国が2/3)が担い、年6回(奇数月)の支払いとなる(平成22年の法改正で2か月ごとの支払いから変更)。

就業支援と自立支援策

母子及び父子並びに寡婦福祉法は都道府県・市区町村に「母子家庭等就業・自立支援センター事業」等の就業支援を義務付けている。市区町村は自立支援プログラム策定(個々のひとり親の状況に応じた就業支援計画の作成)・資格取得支援(高等技能訓練促進費等)・就職の際の費用支援(転居・子どもの学費等の費用貸付)を組み合わせて実施する。2010年代以降は「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(平成25年)との連動で、子どもの学習支援・食の支援(子ども食堂等)を組み合わせた世帯全体への支援が強化されている。

父子家庭への支援の拡充

平成26年(2014年)の母子及び父子並びに寡婦福祉法改正により、父子家庭も法律の支援対象として明示的に加えられた。父子家庭は母子家庭に比べて経済的には相対的に困窮度が低い場合があるが、家事・育児の支援ニーズや「父子家庭であることを相談しにくい」という心理的障壁がある。市区町村の担当者は「ひとり親は母子家庭のみ」というステレオタイプを避け、父子家庭への積極的な情報提供と相談対応を行うことが不可欠となる。

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