子ども・子育て支援金とは、児童手当の拡充やこども誰でも通園制度などの少子化対策の財源に充てるため、医療保険の保険料と併せて徴収される拠出金である。2024年成立の子ども・子育て支援法等の改正により創設され、2026年度から徴収が始まった。
増税ではないが、保険料の明細には新しい徴収項目が加わる。子ども・子育て支援金は、こども未来戦略の「加速化プラン」が掲げる施策群の財源の一部を、医療保険の仕組みに乗せて社会全体(高齢者や子どものいない世帯を含む全世代・事業主)から集める仕組みである。徴収額は2026年度の約6,000億円から段階的に引き上げられ、2028年度に約1兆円となる計画で、加入者1人当たりの負担は2028年度時点で全制度平均月450円程度とする政府試算が示されている。充当先は児童手当の拡充、妊婦のための支援給付、こども誰でも通園制度、出生後の休業支援給付などに法律上特定され、経理は国の子ども・子育て支援特別会計(いわゆる「こども金庫」)で区分される。市町村にとって他人事でないのは徴収実務で、国民健康保険では保険料(税)と一体で賦課・徴収する事務を市町村自身が担い、後期高齢者医療でも広域連合の保険料に上乗せされる。歳出改革と賃上げで「実質的な負担は生じさせない」という政府の説明に対しては、負担増ではないかという批判が国会審議から続いており、窓口での説明材料の整理が要る。なお、事業主のみが負担し児童手当などに充ててきた従来の子ども・子育て拠出金(事業主拠出金)とは別の仕組みである。
徴収の仕組みと市町村国保の実務
子ども・子育て支援金は独立の税や保険ではなく、各医療保険者が医療保険料と併せて徴収し、国へ納付する建て付けをとる。被用者保険では労使折半で給与から控除され、国民健康保険では市町村が保険料(税)の賦課に支援金分の区分を設けて一体で賦課・徴収する。このため市町村国保の担当課では、賦課システムの改修、納入通知書・条例(国保税条例)の改正、低所得世帯の軽減措置の適用など、保険料率改定に準じた一連の事務が発生する。後期高齢者医療では広域連合が保険料に上乗せして徴収する。負担額は加入する医療保険と所得水準によって異なり、政府試算では2028年度の加入者1人当たり平均で月450円程度、被用者保険では報酬水準に応じてこれより高くなる。「社会保険料なのに医療給付の対価ではない」という性格をめぐっては、保険原理との整合や実質負担の有無が国会・専門家の間で争点となり、施行後も検証が続く制度である。
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