母子保健法とは、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持増進を図るため、保健指導・健康診査・妊娠の届出と母子健康手帳の交付などを定める法律である。
妊娠期から乳幼児期までの母子の健康をどの法律が支えているのか。その基本となるのが1965年に制定された母子保健法である。妊娠した者は市町村に妊娠の届出を行い、市町村は母子健康手帳を交付する。市町村は妊婦健康診査・乳幼児健康診査を実施し、新生児や未熟児に対する訪問指導、養育医療の給付などを行う責務を負う。2019年の改正では出産後の母子を支える産後ケア事業が法定化され、2024年施行の改正児童福祉法と合わせて妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を担うこども家庭センターの整備が進められている。母子保健は市町村保健センターや母子保健担当課が窓口となり、福祉部門の子育て支援と一体的に運用される点が実務上の要となる。
市町村が担う母子保健事業
母子保健法は健康診査・保健指導・訪問指導などの母子保健事業の実施主体を原則として市町村と定める。妊娠の届出を受けた市町村は母子健康手帳を交付し、妊婦健康診査・乳幼児健康診査を行う。低出生体重児の届出を受けた場合や、新生児・未熟児については保健師・助産師等による訪問指導を実施し、未熟児に対しては養育医療の給付を行う。健診で支援が必要と判断された母子には継続的な保健指導や家庭訪問でフォローする。事業の中心を担うのは保健センターであり、保健師等の専門職の確保と、医療機関・福祉部門との連携体制が事業の質を左右する。
こども家庭センターと切れ目ない支援
2022年改正児童福祉法により、母子保健法に基づく子育て世代包括支援センターと児童福祉法の子ども家庭総合支援拠点が、2024年4月からこども家庭センターに一本化された。母子保健と児童福祉の両機能を一体的に運営し、妊娠届の段階から支援が必要な妊婦を把握してサポートプランを作成する仕組みである。母子保健担当課にとっては、従来の健診・手帳交付業務を福祉部門と連携させ、特定妊婦やヤングケアラーの早期発見につなげる運用が論点となる。
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