養育医療とは、入院して養育を受ける必要がある未熟児に対し、その治療に要する医療費を公費で給付する、母子保健法に基づく制度をいう。
極端に小さく生まれ、入院して治療を受けなければ生命にかかわる未熟児について、その医療費の負担はどう支えられるのか。これを担うのが母子保健法に基づく養育医療である。出生時の体重が著しく低い、あるいは生活力が特に薄弱で入院養育を必要とする未熟児に対し、指定された医療機関での入院医療に要する費用を公費で給付する。給付の対象や指定医療機関は母子保健法で定められ、申請は市町村が窓口となる。所得に応じた自己負担はあるものの、こども医療費助成と組み合わせて実質的な負担が軽減される運用も多い。障害の状態にある子どもへの育成医療や自立支援医療とは対象と根拠法が異なり、養育医療はあくまで未熟児の入院養育を支える制度である点が、窓口業務での整理のうえで重要となる。
給付の対象と仕組み
養育医療は、母子保健法に基づき、入院して養育を受ける必要がある未熟児に対して医療費を給付する制度である。対象となるのは、出生時の体重が一定基準以下である、または運動・体温・呼吸・消化器などの機能において入院養育を必要とする症状がある未熟児で、医師が入院養育の必要を認めた場合である。給付は都道府県知事等が指定した養育医療機関で行われる入院医療に限られ、診察・薬剤・治療材料・入院などに要する費用が対象となる。世帯の所得に応じて自己負担額が定められ、徴収される仕組みである。申請は市町村の母子保健担当が窓口となり、医師の意見書を添えて行うのが通例で、未熟児の届出や訪問指導とあわせて運用される。
他の公費負担医療との区別
子どもに関する公費負担医療には、養育医療のほかに、身体に障害のある子どもへの育成医療、慢性疾患のある子どもへの小児慢性特定疾病医療費助成、自治体が独自に行うこども医療費助成などがあり、対象や根拠法が異なる。養育医療は母子保健法を根拠に未熟児の入院養育を支えるもので、障害の改善を目的とする育成医療や自立支援医療とは趣旨が異なる。実務では、対象となる子どもがどの制度に該当するかを正しく判別し、こども医療費助成など他の助成との給付調整を行うことが窓口業務の要点となる。市町村は妊娠の届出や乳幼児健康診査、新生児・未熟児への訪問指導の機会に対象となりうる子どもを把握し、必要な制度に確実につなぐ役割を担う。
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