予算原則とは、予算の編成と執行が従うべき基本的なルールの総称である。地方自治法は、総計予算主義、会計年度独立の原則、予算の事前議決などを定めており、これらを通じて予算の網羅性と議会による統制を担保する。
予算は、首長が独断で組んで執行できるものではなく、いくつかの基本ルールのもとで編成され統制される。予算原則は、その編成と執行が従うべき約束ごとの総称であり、いずれも予算が財政の全体像を示し議会の統制に服することを担保するために設けられている。
代表的なものに、一切の収入支出を漏れなく計上する総計予算主義、各年度の歳出を当該年度の歳入で賄う会計年度独立の原則、年度開始前に議会の議決を得る事前議決の原則がある。これらは互いに補い合っており、どれか一つが欠けても予算による財政の見える化と統制は十分に働かない。継続費や補正予算など、原則ごとに法が認めた例外も併せて理解すると、予算制度の全体像がつかみやすい。
主な予算原則
地方公共団体の予算を律する原則として、まず総計予算主義(地方自治法第210条)があり、一切の収入支出を歳入歳出予算に編入することを求める。次に会計年度独立の原則(第208条第2項)が、各年度の歳出をその年度の歳入で賄うことを求める。さらに事前議決の原則(第211条)は、長が毎会計年度の予算を調製し年度開始前に議会の議決を経なければならないと定める。これらに加え、原則として一つの会計について単一の予算で示す単一予算主義や、予算の内容を住民に公表する予算公開の考え方がある。いずれも、予算を通じて財政を網羅的に示し、議会と住民の統制を及ぼすという共通の趣旨に立つ。
国の予算原則との関係
予算原則は、もともと国の財政法が定める諸原則(会計年度独立・総計予算・単一性・厳密性・公開など)として体系化されてきたものであり、地方公共団体の予算制度もこれを地方自治法に即して取り入れている。国と地方とで根拠法は異なるが、財政の全体像を示し立法府(議会)の統制に服させるという目的は共通する。自治体の予算実務では、これらの原則が款・項という議決科目の設定や、補正予算・継続費といった手続のなかに具体化されている。
原則と例外の対応
それぞれの原則には、財政運営の必要から法が認めた例外がある。会計年度独立の原則には継続費・繰越明許費・事故繰越し・債務負担行為が、単一予算主義には当初予算に対する補正予算や暫定予算が対応する。原則を覚えるだけでなく、どの原則のどんな不都合に応えて例外が用意されているのかを併せて押さえることで、個々の予算制度が何のためにあるのかが見通せる。たとえば繰越明許費は、年度内に終わらない事業のために会計年度独立の原則を計画的に緩める仕組みであり、その原則を知らなければ、なぜ繰越しに議会の議決(予算での定め)が要るのかも理解できない。
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