葬祭費とは、国民健康保険または後期高齢者医療制度の被保険者が死亡したときに、葬祭を行った人に対して条例等の定めにより支給される給付をいう。
死亡届の後、遺族に必ず案内すべき「もらい忘れやすい給付」の筆頭が葬祭費である。国民健康保険法は、市町村が条例の定めるところにより葬祭費の支給を行うものとし、特別の理由があるときは行わないことができると定める。後期高齢者医療制度でも広域連合の条例により同種の給付が行われる。支給額は条例で定められ、おおむね数万円の定額で自治体により差がある。受け取れるのは「葬祭を行った人」すなわち喪主であり、死亡した被保険者本人の相続財産ではないため、相続放棄をしていても受け取れると解されている。請求には会葬礼状や葬儀費用の領収書などで葬祭を行った事実を示し、時効は葬祭を行った日の翌日から2年である。会社員等が加入する健康保険では埋葬料(定額5万円)が対応する給付であり、死亡時にどの医療保険の資格があったかで案内先が変わる。
おくやみ窓口での位置と隣接給付との弁別
葬祭費は、未支給年金、国民年金の死亡一時金、高額療養費の死後精算などとともに、死亡後手続の案内一覧に必ず載る給付である。同じ「葬儀への公費」でも、生活保護の葬祭扶助は困窮のため葬祭を行えない場合に基準額の範囲で現に要する費用を支給する事前の扶助であり、葬祭費は葬祭を行った喪主への事後の定額給付という違いがある。直葬や火葬式のような簡素な葬送が増え、「葬祭を行った」と言えるかが争点になる事例も出ており、火葬のみの場合の支給可否の取り扱いは自治体で分かれる。死亡を理由とする資格喪失の処理と同時に案内できるよう、戸籍・住基窓口と保険年金窓口の連携、いわゆるおくやみコーナーの手続一覧への掲載が取りこぼし防止の定石である。
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