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国民健康保険法

読み:こくみんけんこうほけんほう

別名:国保法
意味

国民健康保険法とは、被用者保険に加入しない住民を対象に市区町村・都道府県と国民健康保険組合が運営する公的医療保険の根拠法で、地域保険として国民皆保険の基盤を担う。

自営業者や無職の住民、退職して被用者保険を抜けた高齢者は、どの医療保険に入るのか。国民健康保険法は、健康保険などの被用者保険に加入しない住民をもれなく受け止める地域保険を定め、日本の国民皆保険体制を底辺で支える法律である。

保険者は長らく市区町村のみだったが、2018年度から都道府県が財政運営の責任主体に加わり、都道府県と市区町村が共同で運営する仕組みへ移行した。都道府県が市区町村ごとの国民健康保険事業費納付金を決め、市区町村は住民への賦課・徴収と保険給付の窓口を担う。

保険料は世帯単位で賦課され、所得割均等割などの組み合わせで算定される。低所得世帯には均等割の軽減があり、保険料を負担できない世帯の医療アクセスを担保する。被用者保険と異なり事業主負担がないため、財政基盤が弱く公費投入で支えられている点が構造的な特徴である。

窓口で医療を受けると原則3割の一部負担金を払い、残りは保険者が負担する。高額療養費限度額適用認定証など他の医療保険と共通の給付も整備されている。市区町村の国保担当課は、資格管理・賦課徴収・給付・国民健康保険運営方針に基づく事務を扱う。

都道府県単位化——2018年度の運営主体の見直し

2018年度の改正で、それまで市区町村単位だった国民健康保険の財政運営に都道府県が加わった。都道府県は市区町村ごとの国民健康保険事業費納付金の額と標準保険料率を示し、医療給付費の見込みを立てて財政運営の責任主体となる。市区町村は引き続き住民に最も近い窓口として、資格管理・保険料の賦課徴収・保険給付・保健事業を担う。小規模な市区町村ほど高額な医療費が一件発生すると財政が揺らぐ構造だったため、都道府県という大きな単位でリスクを平準化し、市区町村間の保険料格差や財政の不安定さを和らげる狙いがあった。運営の方針は都道府県が定める国民健康保険運営方針に書き込まれ、保険料水準の統一に向けた議論が各都道府県で進む。

被用者保険を支えない地域保険という財政構造

国民健康保険は、健康保険など被用者保険に入れない住民を最後に受け止める地域保険である。加入者には自営業者や無職者、年金生活の高齢者が多く、所得が低く医療を要する層が集まりやすい。被用者保険には事業主が保険料の半分を負担する仕組みがあるが、国民健康保険には事業主負担が存在せず、加入者の保険料だけでは給付費をまかなえない。このため国・都道府県・市区町村の公費が多額に投入され、低所得世帯には均等割・平等割を所得に応じて減額する法定軽減も設けられている。後期高齢者医療制度の創設により75歳以上が抜けた一方、被用者保険を退職した前期高齢者が流入するため、年齢構成の偏りと医療費の重さがこの保険の財政を恒常的に圧迫している。

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