海外渡航に欠かせない旅券だが、申請や受け取りの窓口は住民に身近な自治体に置かれている。旅券の発給そのものは国(外務省)の事務でありながら、旅券法は都道府県を経由する仕組みをとり、近年は市町村にも窓口事務が広がっている。
一般旅券には有効期間10年と5年の区分があり、氏名や生年月日、旅券番号などが記載される。現在はICチップを内蔵し、顔写真などの情報が電子的に記録されている。2023年からはマイナポータルを使ったオンライン申請も始まり、更新を中心に来庁の負担軽減が進む。手数料は国に帰属する分と都道府県に帰属する分に分かれて納付し、住民にとっては自治体の窓口が国の事務への接点となる典型例である。
国の事務を自治体が担う仕組み
旅券の発給は外務大臣の権限に属する国の事務だが、申請の受理や交付といった窓口事務は、旅券法に基づき都道府県が法定受託事務として処理してきた。法定受託事務は、本来は国が果たすべき役割に係る事務でありながら、法律により地方公共団体が処理することとされたものをいう。住民に身近な場所で手続を完結できるようにする趣旨で、パスポートセンターや旅券窓口が各地に置かれている。2023年の旅券法改正では、都道府県の判断で市町村にも窓口事務を担わせることができるようになり、より身近な市役所・町村役場で申請できる地域が増えている。
申請から交付までと手数料
一般旅券の申請には、戸籍の証明や顔写真、本人確認書類などが必要で、記載事項に誤りがないかを窓口で確認したうえで国に進達される。審査を経て作成された旅券は、本人が窓口に出向いて受け取るのが原則である。手数料は10年旅券と5年旅券で額が異なり、国の収入となる分と都道府県の収入となる分に分かれて納付する。2023年からはマイナンバーカードを用いたマイナポータルからのオンライン申請も導入され、更新手続を中心に来庁負担の軽減が図られている。
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