同じ自治体の窓口でも、市では市役所、町村では役場、都道府県では庁と呼び名が変わる——役所は、このうち市や特別区が事務を執る機関とその庁舎を指す。市役所・区役所がこれにあたり、町村の役場、都道府県の庁と対をなす。この呼び分けは行政の規模や種別に応じた慣行で、法律が用語を一律に定めているわけではない。事務所の位置自体は地方自治法に基づき条例で定められ、住民の利便や交通を考えて配置される。窓口の所在地や所管を住民に案内する場面で、役所・役場・庁の使い分けは前提知識になる。
役所・役場・庁の呼び分け
地方公共団体の事務を執る機関は、その種別によって呼び名が異なる。市と特別区では役所(市役所・区役所)、町と村では役場(町役場・村役場)、都道府県では庁(都庁・道庁・府庁・県庁)と呼ぶのが通例である。これは行政の規模や歴史に根ざした呼称上の慣行であり、地方自治法がそれぞれの名称を定義しているわけではない。法律上は、いずれも地方公共団体の事務所であり、その位置は条例で定めるものとされている。したがって役所という語は、制度上の区分というより、市・特別区を指す実務上の呼び名として用いられる。
本庁と出先で広がる役所の範囲
役所が指す範囲は、住民が思い浮かべる本庁舎だけにとどまらない。市役所・区役所には、中枢機能を担う本庁のほか、地域に置かれた支所や出張所が連なり、これらをまとめて市の役所組織が構成される。住民にとっては、住民票や各種証明書をどこで受け取れるか、相談業務がどの窓口に置かれているかが関心事となり、本庁まで足を運ぶか身近な出先で済むかが分かれる。役所という呼称は、この本庁と出先を含めた市・特別区の事務組織の全体を緩やかに指している。
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