本庁まで出向かなくても、住民票や福祉、税などひととおりの用事を地元で足せる——支所は、こうした総合的な機能を地域に置く出先機関である。地方自治法第百五十五条は、長がその権限に属する事務を分掌させるため、条例で必要な地に支所を設けられると定める。窓口を絞った出張所と違い、支所は長の事務全般にわたって地域を受け持つ点に特徴がある。市町村合併で広域化した自治体では、旧市町村の役場を支所や総合支所として残し、本庁から遠い地域の住民の利便を保つ手立てとして使われている。本庁と支所の役割分担をどう設計するかは、合併後の自治体運営の要点になる。
自治法155条に基づく総合的な出先
支所は、地方自治法第百五十五条第一項に基づき、長がその権限に属する事務を分掌させるため、条例で必要な地に設ける出先機関である。条例で設けるという点が、要綱などで置かれる簡易な窓口との違いになる。支所の特徴は、特定の事務に限らず、長の事務全般にわたって地域を受け持つ総合性にある。住民は、本庁まで行かなくても、住民異動の届出、証明書の交付、税や福祉の相談など、暮らしに必要な手続の大半を支所で済ませられる。この総合性が、窓口を絞った出張所との区別の決め手となる。
合併後の広域自治体を支える
市町村合併で区域が広がった自治体では、本庁から遠い地域の住民が不便を被らないよう、旧市町村の役場を支所として残す例が広く見られる。とりわけ各分野の事務を総合的に扱う規模のものは総合支所と呼ばれ、本庁・総合支所・出張所という重層的な体制が組まれる。どの事務を本庁に集約し、どこまでを支所に残すかは、効率化と住民サービスの維持を両立させるための制度設計の問題になる。支所を厚くすれば身近な行政が保たれる一方、組織や人員の重複を招きやすく、合併の効果との兼ね合いが問われる。
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