本庁舎とは、地方公共団体の主たる事務所が置かれる建物であり、首長部局の中枢機能が集約される庁舎である。地方自治法第4条第1項に基づき、その位置は条例(事務所の位置を定める条例)で定められる。
役所の建物をどこに置くかは住民の利便と行政の効率を左右するため、執行機関の一存では決められない。地方自治法第4条第1項は、地方公共団体の主たる事務所=本庁舎の位置を条例で定めるよう求め、その制定や改正には出席議員の3分の2以上の同意という特別多数議決を要する(同条第3項)。
位置を定めるにあたっては、住民の利用に最も便利であるよう、交通の事情や他の官公署との関係に配慮しなければならない(同条第2項)。本庁舎には首長や副首長と官房系を中心とする中枢部門が置かれ、支所、出張所、出先機関と対をなす「本庁」の物理的な拠点となる。庁舎の老朽化に伴う建替えや移転は、多額の費用と位置条例の改正や特別多数議決を要する重い意思決定であり、公共施設等総合管理計画の中でも大きな論点になる。
位置を条例で定める意味(地方自治法第4条)
地方公共団体の事務所の位置は、長が単独で決められず条例事項とされ、しかもその制定・改正には議会の出席議員の3分の2以上の同意(特別多数議決)が必要とされる(地方自治法第4条第1項・第3項)。一般の条例が過半数で足りるのに対し要件を重くしているのは、庁舎の位置が住民生活と地域の中心性に長く影響を及ぼし、安易な移転を抑える趣旨による。位置を定める際は住民の利用の便・交通の事情・他の官公署との関係を考慮しなければならない(同条第2項)。実際の条例は「○○市役所の位置を定める条例」といった簡潔なもので、住所が一行記されるにとどまることが多い。
本庁・支所・出先機関との関係
本庁舎が首長部局の中枢を集約するのに対し、住民に身近な窓口サービスは支所・出張所が、特定分野の事務は保健所・福祉事務所などの出先機関(地方自治法第155条・第156条に基づく)が分担する。組織を指して「本庁」と呼ぶときは出先に対する本体組織を意味し、建物を指す「本庁舎」とは区別される。高度経済成長期に建てられた本庁舎の多くが更新時期を迎えており、建替え・免震改修・複合化や、分散した部門を集約する新庁舎整備が各地で進む。これらは公共施設等総合管理計画や財政負担の平準化と一体で検討される。
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