ジチテン

進達

読み:しんたつ

意味

進達とは、住民や下位の行政機関から提出された申請・届出・報告等の書類を、受け付けた機関が経由機関として上位の決定権者へ取り次ぎ送付する事務をいう。

住民から窓口に出された申請が、なぜそのまま市役所では決まらず都道府県や国へ送られるのか。これは申請に対する決定権限が上位機関にあり、市町村は受付と取り次ぎの役割しか持たない場合があるためである。この取り次ぎの事務を進達と呼ぶ。法定受託事務や許認可の多くは、市町村が第一次の窓口となって書類を受け付け、形式審査や添付書類の確認を済ませたうえで、都道府県知事や各省大臣へ進達する仕組みになっている。進達を受けた上位機関がさらに別の機関へ取り次ぐこともあり、申請者から見えない庁内・庁外の経路をたどって決定権者に到達する。進達の段階では受付機関は可否を判断せず、書類の整序と移送に責任を負う。市町村が独自の意見を付して送る場合は副申と呼ばれ、進達と区別される。

進達と経由機関の役割

進達の起点となる機関は経由機関と呼ばれ、申請に対する許否の決定権そのものは持たない。経由機関の事務は、申請の受理、添付書類や記載事項が整っているかの形式審査、補正の指示、そして上位機関への送付に限られる。たとえば生活保護法や旅券事務のように、市町村窓口が受け付けた書類を都道府県を経て国へ取り次ぐ多段の経路が組まれている事務では、各段の経由機関が順に進達を重ねる。経由機関が形式不備を見落としたまま進達すると、上位機関での審査が滞り申請者に補正のやり直しを強いるため、受付段階での点検が実務上の要点となる。電子申請の普及により、紙の書類を物理的に送付する進達から、システム上でデータを上位機関へ送信する形へ移行が進んでいる。

進達と副申・意見書の違い

進達は書類をそのまま取り次ぐ事務であるのに対し、経由機関が独自の調査結果や賛否の意見を書面で添えて送る場合は副申という。たとえば補助金や許認可の申請で、現地の実情を最もよく知る市町村が「申請内容は妥当である」「現地調査の結果、要件を満たす」といった意見を付すと、上位機関の判断材料となる。副申を付すかどうかは根拠法令や要綱の定めにより、副申が制度上義務付けられている事務と、単純な進達で足りる事務がある。進達と副申を取り違えると、添えるべき意見書を欠いたまま送付して差し戻される、あるいは権限のない意見を付して越権と受け取られるといった事故につながる。

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