類似団体とは、財政分析や定員管理の比較に用いるため、人口規模と産業構造等を軸に全国の地方公共団体を類型化したとき、同じグループに属する団体をいう。総務省が決算統計等の結果を類型別に整理して公表しており、自団体の指標を全国平均ではなく同条件の団体と比べるための物差しである。
経常収支比率が95%という数字だけを眺めても、それが危険水準なのか標準的なのかは判断できない。人口3万の町と政令指定都市では歳出構造も税源もまるで違うからである。類似団体という類型は、規模と産業構造をそろえた土俵を用意することで、財政指標の比較を「全国平均との比較」から「条件の近い団体との相対評価」へ引き上げる。総務省は決算統計をもとに類似団体別市町村財政指数表を毎年度公表し、財政状況資料集にも類似団体内の平均値や順位が載るため、決算分析・行政改革・定員適正化の説明資料はほぼ例外なくこの類型を参照する。ただし同じ類型でも合併の経緯・面積・気候といった条件は異なるので、平均との乖離はそのまま良し悪しではなく、要因を分解して読むのが分析の作法である。
類型の決め方と主な使い道
市町村の類型は人口規模と産業構造(就業者の産業別構成比)の組合せで区分され、政令指定都市・中核市・施行時特例市等の都市制度上の区分はそれぞれ別グループとして扱われる。総務省は地方財政状況調査の結果をこの類型で集計した類似団体別市町村財政指数表を毎年度公表しており、財政力指数・経常収支比率・人口1人当たり歳出といった指標を類型平均と並べられる。財政指標のほかに定員管理(人口規模・類型別の職員数比較)や給与水準の分析にも同じ発想の類型が使われ、定員適正化計画や行政改革プランの根拠資料となる。議会・住民への決算説明で「同規模団体と比べてどうか」を示す事実上の標準言語でもある。
標準団体との混同と比較の限界
地方交付税の算定に登場する標準団体は、単位費用を積算するために設定された仮想のモデル団体であり、実在する団体の集合である類似団体とは別物である。名前が似るため決算説明や研修で混線しやすいが、前者は制度上の仮設、後者は統計上の類型グループと覚え分ける。また類似団体平均は「あるべき水準」ではない。離島・豪雪地帯のような条件不利地域は同類型でも需要構造が異なり、公営企業や一部事務組合への負担金の持ち方でも数値は動く。平均より悪い指標を見つけたら、構成費目まで降りて要因を特定するのが正しい使い方で、平均値への接近自体を目標化すると分析が形骸化する。
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