公立学校の先生になりたい人は、誰に対して、どこで試験を受けるのか。採用権者である都道府県・指定都市の教育委員会が、小学校・中学校・高校・特別支援学校・養護教諭などの校種・職種ごとに選考を行う。一次で筆記(教職教養・専門教科・一般教養)、二次で面接・模擬授業・実技などを課すのが一般的な流れである。法律上は「試験」でなく「選考」と位置づけられ、人物や適性を総合的に見て合否を決める建前になっている。合格しても直ちに特定校へ配属が確定するわけではなく、採用候補者名簿に登載されたうえで配置が決まる。近年は受験者の減少で倍率が下がり、教員の質と量をどう確保するかが各教育委員会の差し迫った課題となっている。
教育委員会が行う採用選考の仕組み
公立学校教員の採用は、都道府県教育委員会または指定都市教育委員会が任命権者として実施する。これは小中学校の教員給与を都道府県が負担する県費負担教職員制度と連動しており、市町村立の小中学校に勤める教員であっても、その採用選考は原則として都道府県教育委員会が担う。選考は校種・教科・職種ごとに区分され、合格者は採用候補者名簿に登載される。名簿への登載は採用の確約ではなく、欠員や定数の状況に応じて任用される性格を持つ。試験ではなく「選考」と呼ぶのは、学力試験の得点だけで機械的に決めるのではなく、面接や論文、模擬授業により教育者としての資質を見極める趣旨があるためである。
倍率低下と人材確保の課題
かつて教員採用選考は高い倍率で知られたが、団塊世代の大量退職に伴う採用枠の拡大や、長時間労働への懸念から志願者が減り、倍率の低下が続く校種が出ている。倍率が下がれば優秀な人材を選び抜く余地が狭まり、教育の質を維持できるかという懸念につながる。これに対し、教育委員会は選考時期の前倒し、社会人や教職経験者を対象とする特別選考、複数回の受験機会の設定などで受験者の確保を図っている。教育公務員特例法や教員の人材確保に関する法律が処遇改善の根拠となってきた経緯もあり、採用選考のあり方は教員という職の魅力をどう保つかという政策課題と切り離せない。
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