戸建てが整然と並び、コンビニすら見当たらない閑静な住宅街は、この地域の指定によって守られている。第一種低層住居専用地域は、用途地域13種のうち住居系の最も厳格な類型で、建てられるのは住宅・共同住宅・寄宿舎のほか、小中学校・図書館・診療所・小規模な兼用店舗などに限られる。同じ低層住専でも、第二種低層住居専用地域が150平方メートルまでの店舗・飲食店を認めるのに対し、第一種ではそうした独立の店舗が建てられない点で一段厳しい。建築物の高さは10メートルまたは12メートルの絶対高さ制限がかかり、外壁の後退距離が定められることもある。建蔽率は30〜60パーセント、容積率は50〜200パーセントの範囲で都市計画により定められる。窓口では、用途地域図のなかでこの地域に該当する敷地に店舗や事務所を建てたいという相談で、用途制限の壁に最初に突き当たる場面が多い。
第一種低層住居専用地域に建てられる用途の狭さ
第一種低層住居専用地域で建築できる用途は、建築基準法別表第二(い項)に列挙されたものに限られ、住居系のなかで最も範囲が狭い。具体的には、住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿のほか、住宅と兼用で店舗・事務所部分が一定規模以下の兼用住宅、小学校・中学校・高等学校、図書館、神社・寺院・教会、保育所、診療所、公衆浴場、老人ホームなどが認められる。一方、独立した店舗・飲食店・事務所は原則として建てられず、大学・病院・ホテルも不可である。兼用住宅についても、店舗等の床面積が50平方メートル以下かつ建物全体の2分の1未満という制限があり、生活利便施設すら強く絞り込まれている。この用途の狭さこそが、静穏な低層住宅地を保つ仕組みの中心である。
第一種低層住居専用地域を縛る絶対高さ制限と外壁後退
第一種低層住居専用地域では、建築物の高さは都市計画で定めた10メートルまたは12メートルを超えてはならない(建築基準法第55条)。この絶対高さ制限により、おおむね3階建て程度までの建物が中心となり、日照・通風に恵まれた街並みが確保される。これに加えて、都市計画で外壁またはこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離の最低限度を1メートルまたは1.5メートルと定めることができ、隣家との間にゆとりが生まれる(建築基準法第54条)。さらに北側斜線制限もかかるため、実際の建物の形は絶対高さ制限・外壁後退・北側斜線のうち最も厳しいもので決まる。低層住専での建て替えや増築の相談では、これらの複数の高さ・距離規制を重ねて確認することが要点となる。
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