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ジチテン

空家等活用促進区域

読み:あきやとうかつようそくしんくいき

意味

空家等活用促進区域とは、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき市区町村が空家等対策計画に定める区域であり、接道や用途の規制の合理化により空家等の活用を重点的に促進するものである。

壊すか放置かの二択だった空き家行政に、「使う」ための道具を与えたのがこの区域制度である。空家法は2014年の制定以来、危険な特定空家への対処を軸に運用されてきたが、2023年の改正で、発生抑制から活用までを視野に入れる方向へ転換した。その活用拡大の看板が空家等活用促進区域である。市区町村は、中心市街地や地域再生の拠点など、まちの核となる区域を空家等対策計画に位置づけ、空家等活用促進指針を定める。指針には、接道義務の特例を使える敷地の要件(敷地特例適用要件)や、用途規制の特例許可の要件(用途特例適用要件)をあらかじめ書き込むことができ、建築基準法の手続と連動して、再建築できない空き家や用途変更できない空き家の壁を区域単位で低くする。区域内の空き家の所有者に対しては、市区町村長が活用を要請することもできる。空き家を壊す権限の強化と並んで、流通させる仕組みを法律に組み込んだ点が改正の要であり、空き家バンクや民間の不動産流通と組み合わせて初めて効果を持つ制度である。

2023年改正の三本柱と区域制度の位置

令和5年の空家法改正は、活用拡大、管理の確保、特定空家の除却等の円滑化という三本柱で構成され、空家等活用促進区域は第一の柱の中心に置かれた。管理の確保では管理不全空家等への指導・勧告が新設され、除却の円滑化では緊急時の代執行などが整備されたのに対し、活用拡大は規制緩和という性格を持つ点で毛色が違う。区域はどこにでも引けるわけではなく、中心市街地活性化法の中心市街地、地域再生法の地域再生拠点など、まちづくり上の拠点性のある区域に限られる。空き家対策が「危険家屋の処分」から「まちの資源の再配置」へ広がったことを象徴する制度であり、空き家担当と都市計画担当の連携を法律が前提にした初めての仕掛けともいえる。

接道・用途の壁をどう下げるか

空き家が市場で動かない二大要因は、前面の道が狭く接道義務を満たさないために再建築不可であることと、住居系用途地域で店舗やゲストハウスへの転用が制限されることである。活用促進指針に敷地特例適用要件を定めると、要件に適合する空き家の敷地は建築基準法の接道義務の特例認定を受けやすくなり、用途特例適用要件を定めると、特定行政庁の用途許可の判断が指針との適合を軸に運用される。いずれも建築規制の権限者である特定行政庁や都道府県知事との協議を経て定める仕組みで、市区町村が単独で規制を緩められるわけではない。指針づくりの実務では、防火・避難の安全性をどの水準で担保するかが特定行政庁との協議の焦点になり、区域指定が「規制緩和の安売り」にならないよう、対象とする空き家の範囲を絞る設計が要点になる。

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