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ジチテン

大気汚染

読み:たいきおせん

意味

大気汚染とは、工場のばい煙や自動車の排出ガスなどによって大気が汚され、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれのある状態である。

工場の煙突から立ちのぼる煙や、幹線道路沿いに漂う排出ガスは、大気汚染の身近な発生源である。大気汚染は典型七公害の一つで、硫黄酸化物・窒素酸化物・浮遊粒子状物質などが大気中に放出され、呼吸器への健康影響や生活環境の悪化をもたらす。規制の柱は大気汚染防止法で、工場・事業場のばい煙発生施設に排出基準を課し、有害大気汚染物質や揮発性有機化合物(VOC)も規制の対象とする。都道府県政令市などは、大気環境を常時監視する測定局を設け、汚染物質の濃度を環境基準と照らして把握する役割を担う。住民から寄せられる煙やばい煙の苦情への対応、立入検査改善命令自治体公害行政の重要な仕事である。

ばい煙規制と常時監視の仕組み

大気汚染対策の中心にあるのが、大気汚染防止法に基づくばい煙の規制である。ボイラーや焼却炉など一定規模以上の施設は「ばい煙発生施設」として届出が義務づけられ、硫黄酸化物・ばいじん・窒素酸化物などの排出に基準が課される。基準を超える排出が確認されれば、都道府県知事などは改善命令や一時停止命令を出すことができる。これと対をなすのが常時監視である。都道府県と政令市は地域に大気汚染常時監視測定局を配置し、二酸化硫黄や浮遊粒子状物質、光化学オキシダントなどの濃度を連続して測定する。測定結果は環境基準の達成状況の評価に使われ、光化学スモッグ注意報の発令や、ばい煙排出の自主的な削減を求める緊急時の措置の判断材料となる。発生源への規制と環境のモニタリングが車の両輪になっている。

産業由来から自動車・越境汚染へ

大気汚染の主役は時代とともに移ってきた。高度経済成長期には工場の排煙による硫黄酸化物が深刻で、四日市ぜんそくに代表される産業公害が社会問題となった。排煙脱硫などの発生源対策が進んだことで、工場由来の汚染は大きく改善した。代わって課題の中心となったのが、自動車の排出ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質で、交通量の多い都市部や幹線道路沿いでは局地的に濃度が高くなる。これに対しては自動車単体の排出規制に加え、特定地域で対策を強める自動車NOx・PM法のような枠組みが設けられた。近年は、国外から飛来する微小粒子状物質(PM2.5)や黄砂など、一つの自治体の規制だけでは制御しきれない越境的な汚染も注目され、監視と情報提供の比重が増している。

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