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ジチテン

市町村長申立て

読み:しちょうそんちょうもうしたて

別名:首長申立て別名:市区町村長申立て
意味

市町村長申立てとは、親族による申立てが期待できない認知症高齢者や障害者について、その福祉を図るため特に必要があるときに、市町村長が成年後見開始等の審判を家庭裁判所に請求することをいう。

身寄りのない認知症高齢者の財産管理や契約を、誰が後見人につなぐのか。成年後見の審判は本人、配偶者、四親等内の親族などの申立てで始まるのが原則だが、頼れる親族がいない、親族が虐待の加害者であるといったケースでは申立て自体が起きない。この空白を埋めるのが市町村長申立てであり、老人福祉法第32条、知的障害者福祉法第28条、精神保健福祉法第51条の11の2が、その福祉を図るため特に必要があると認めるときに市町村長へ審判請求の権限を与えている。最高裁判所の統計では市区町村長による申立てが申立人全体の2割を超えて最多となり、親族申立てを上回る状況が続く。高齢者虐待への対応や消費者被害の防止と直結する権利擁護実務の中核であり、地域包括支援センター基幹相談支援センターからの相談が起点になることが多い。

申立てまでの実務の流れ

典型的には、地域包括支援センターやケアマネジャー、医療機関からの通報・相談を受けて市町村の担当課がケース会議を開き、本人の判断能力、親族の有無、資産の状況を調査して申立ての要否を判断する。国の通知は、二親等内の親族の有無を確認すれば足り、申立てを行う者がいない場合に四親等まで網羅的に調査する必要はないとしており、親族調査の長期化で保護が遅れることを避ける運用が示されている。申立てには診断書の作成料や鑑定費用、登記手数料等の費用がかかり、まず市町村が支出したうえで本人に求償するのが原則だが、資力のない人については成年後見制度利用支援事業により申立費用や後見人報酬を助成する。

虐待対応・緊急時の使われ方

市町村長申立ては、高齢者虐待や障害者虐待の対応スキームと一体で使われることが多い。親族が本人の年金や預金を使い込む経済的虐待の事案では、加害親族に申立てを期待できないため、市町村長申立てで後見人を選任し、財産管理の権限を本人側に取り戻すことが分離・保護の決め手になる。やむを得ない事由による措置で本人を施設に保護した後、施設利用を契約に切り替える局面でも後見人の選任が前提になる。成年後見制度利用促進法に基づく中核機関の整備が進み、受任者調整や申立て支援を含む権利擁護支援の地域連携ネットワークの中に市町村長申立てを位置づける運用が広がっている。

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