精神保健福祉法とは、精神障害者の医療と保護、社会復帰の促進や自立支援を図るため、入院制度や精神障害者保健福祉手帳などを定める法律である。
精神障害のある人の入院や手帳、地域での支援は、どの法律に基づくのか。それが精神保健福祉法である。この法律は、本人の同意による任意入院を基本としつつ、自傷他害のおそれがある場合の措置入院や、家族等の同意による医療保護入院といった、本人の同意によらない入院の仕組みを定める。これらは精神科医療における人権への配慮が強く問われる領域であり、精神保健指定医の判断や精神医療審査会による入院の妥当性審査などの手続が設けられている。あわせて、精神障害者保健福祉手帳の交付や、自立支援医療の精神通院医療、保健所・精神保健福祉センターによる相談支援の根拠ともなり、医療と福祉の両面から精神障害者を支える土台をなす法律である。
入院形態と人権擁護
精神保健福祉法は、精神科病院への入院を、本人の同意に基づく任意入院、自傷他害のおそれがあるとして都道府県知事が措置する措置入院、家族等の同意により精神保健指定医の判断で行う医療保護入院などに分ける。本人の同意によらない入院は、患者の自由を制限するため、精神保健指定医による診察、入院の必要性の判断、精神医療審査会による入院や処遇の妥当性の審査、退院請求の仕組みなど、人権擁護のための手続が幾重にも設けられている。これらの運用の適正さは、精神科医療をめぐる長年の論点であり続けている。
福祉・地域支援の根拠
精神保健福祉法は医療面だけでなく、精神障害者の社会復帰と自立を支える福祉の根拠でもある。精神障害者保健福祉手帳の交付を定め、手帳は税の軽減や各種サービス利用の証明として機能する。また、保健所や都道府県の精神保健福祉センターによる相談・普及啓発、地域移行・地域定着の支援の枠組みもこの法律に位置づけられる。サービス給付自体は障害者総合支援法に一元化されているが、入院制度、手帳、相談支援の体制といった精神保健福祉に固有の基盤は本法が担い、身体・知的の福祉法とあわせて障害種別ごとの法体系を構成する。
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