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ジチテン

戻出

読み: れいしゅつ

意味

戻出とは、過誤納となった金額を、これを収入した歳入科目から納入者に払い戻して収入済額を減じる会計処理である。

窓口で受けた過誤納金を相手に返すとき、それを新たな支出として歳出から出すのか、いったん入った歳入を取り消す形にするのか——返金をどう仕訳するかが戻出の論点である。地方自治法施行令第165条の6は、歳入の誤納・過納となった金額を払い戻すときは、支出の手続の例により、これを当該収入した歳入から戻出すると定める。手続こそ支出に倣うが、戻出は新たな経費ではなく、収入として受けた額を当該歳入科目で差し引く処理であり、決算上の収入済額はその分だけ小さくなる。そのため、いつ戻出できるかは年度区分に縛られ、当該歳入の会計年度内および出納整理期間内に限られる。出納が閉鎖された後に判明した過年度分は歳入を動かせず、現年度の歳出に還付金として計上して支払う。

手続は支出に倣うが、戻出は歳出ではない

施行令第165条の6は、戻出を「支出の手続の例により」行うと定める。このため伝票の起こし方や決裁の流れは支出に倣い、現場では支出と同じ感覚で処理されやすい。しかし戻出は新たな経費の支出ではなく、いったん収入済みとして受けた歳入を当該科目で取り消す処理であり、会計上は歳入のマイナス(収入済額の減額)として表れる。手続が支出に似ていることと、性格が歳入の減額であることは別物である。ここを取り違え、出納整理期間内に歳入から戻出すべき還付を現年度の歳出(諸支出金)から支払うと、減るべき収入済額が減らないまま歳入が過大に残り、同時に不要な歳出が立って歳出も膨らむため、歳入・歳出の両面で決算が実態からずれる。実務では、出納整理期間内の戻出は「戻出」と表示した収入票で起こし、出納閉鎖後に現年度歳出から支払うものは支出命令票で起こすというように、同じ還付でも用いる伝票が分かれる。

出納が閉まると歳入からは戻せない——過年度分は現年度歳出へ

戻出ができるのは、過誤納金を当該歳入の会計年度内、または出納整理期間(翌年度の4月1日から5月31日まで)に処理する場合に限られる。この間であれば、収入した歳入科目までさかのぼって戻出し、その年度の収入済額を減らせる。だが出納が閉鎖される5月31日を過ぎると、確定した過年度の決算は動かせず、もはや歳入からは戻出できない。このときの還付は、過誤納金を現年度の歳出(諸支出金などの還付金)に計上し、そこから支払う。同じ過誤納金の還付でも、出納整理期間内なら収入済額を減らす戻出、閉鎖後なら現年度歳出からの支出と、お金の出口が逆の側に切り替わる。年度末をまたぐ案件では、過誤納が生じた時点ではなく処理する時点がこの分かれ目を決めるため、いつ処理するかの確認が欠かせない。

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