過誤納金とは、納めるべき額を超えて納付された地方税などの過納金と、納付の時点で法律上の根拠を欠く誤納金とを合わせた、自治体が納税者へ返すべき金銭である。
税を納めすぎたり、本来納める義務のないものを誤って納めたりすれば、その分は納税者に戻されるべきものになる。過誤納金は、そうした過大・無根拠の納付を指し、自治体は還付や充当によって納税者へ返す義務を負う。
ただし、納めすぎた額がそのまま手元に戻るとは限らない。未納の税があればまずそちらへ充当され、残った分が還付される。還付には日数に応じた還付加算金が付き、一方で還付を求める権利は地方税法上5年で時効消滅するため、戻せる範囲には期限がある。
過納金と誤納金は発生の仕方が違う
過誤納金は、性格の異なる二つの金銭をまとめた呼び方である。過納金は、いったん有効に確定した税額が、評価額の修正や更正、減額賦課などによって後から過大だったと判明した分を指す。これに対し誤納金は、納付の時点でそもそも納める法律上の義務がなかった分、たとえば二重に納付した場合や、課税自体が誤っていた場合の納付を指す。返さなければならない点は同じでも、確定後に過大になったのか、最初から根拠がなかったのかという発生の経緯が異なり、還付加算金をいつから計算するかといった扱いがこの区別によって変わってくる。窓口で過誤納金の処理をするときは、まずどちらに当たるかを見極めることになる。
還付の前に、まず未納へ「充当」する
過誤納金が生じても、その納税者に未納の税や延滞金があれば、自治体はまずその過誤納金を未納分へ充当し、なお残る額だけを還付する。これは地方税法に基づく扱いで、納めすぎた人へ全額をそのまま返すのではなく、滞納している債務と相殺してから返すのが原則である。納税者から見れば「納めすぎたのに全額戻ってこない」状況が起こり、その理由が充当にある。実務では「市税過誤納金等還付(充当)通知書」によって、いくらを未納へ充て、いくらを還付するかを納税者へ知らせる。複数の税目・年度にまたがる場合は、どの未納へどの順序で充当するかの整理が事務の要点になる。
5年の消滅時効が「返せない過払い」を生む
過誤納金の還付を求める権利は、還付できることとなった日から5年で時効により消滅する(地方税法第18条の3)。問題になりやすいのが固定資産税の課税誤りで、評価の誤りによって何十年も過大に課税していたことが後から判明しても、地方税法に基づいて自治体が還付できるのは原則として直近の5年分にとどまる。それより前の過払いは、法律上の還付の対象から外れてしまう。この壁を補うため、課税誤りについては要綱を定めて5年を超える期間の返還金を支払う団体もあるが、それは地方税法上の還付とは別の枠組みである。納税者の信頼と法の時効との間で、自治体がどこまで返すかが問われる場面である。
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