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ジチテン

任意税率

読み:にんいぜいりつ

意味

任意税率とは、地方税法が税率について標準税率・制限税率等の定めを置かず、地方公共団体が条例で自由に設定できる税率をいう。法定外普通税・法定外目的税のほか、水利地益税等の一部の法定税がこれに当たる。

地方税税率条例で定めるのが建前だが、実際には地方税法標準税率制限税率で枠をはめている税目が大半を占める。その枠が外れている領域が任意税率であり、課税自主権が最も素直に現れる場面といってよい。税率の規定方式は、法定税率しか使えない一定税率、通常よるべき水準を示しつつ超過課税を許す標準税率、上限だけを画す制限税率、そして定めのない任意税率へと、団体の裁量が段階的に広がる体系をなす。宿泊税のような法定外税では課税標準も税率も条例で設計するため、税率水準の根拠を団体自身が説明しなければならない。徴税コストや負担の均衡、近隣団体との関係を踏まえた税率設計は、税条例を所管する税務担当が法定外税の検討で必ず直面する論点である。

税率の規定方式の中での位置

地方税法の税率規定は4つの方式に整理される。一定税率は法定の率以外を用いることができないもので、地方消費税やたばこ税が代表である。標準税率は通常よるべき税率で、財政上その他の必要があれば超過課税ができる(個人住民税固定資産税等)。制限税率は超えてはならない上限を画す(都市計画税等)。任意税率はこれらの定めが何もなく、条例が税率の唯一の根拠になる方式で、課税要件を条例で定めるという地方税条例主義の意味が最も重くなる。法定税では水利地益税・共同施設税・宅地開発税のように課税実例の少ない目的税が該当し、現実に任意税率が働く主な舞台は法定外普通税法定外目的税である。

自由の内在的な限界

税率の定めがないことは無制約を意味しない。法定外税の新設・変更には総務大臣への協議と同意が必要であり(地方税法第259条等)、国税や他の地方税と課税標準を同じくして住民の負担が著しく過重になる場合、団体間の物の流通に重大な障害を与える場合、国の経済施策に照らして適当でない場合には同意されない。また負担が過重な税率は、訴訟で課税自主権の限界を問われる可能性があり、応益性や転嫁の見通しを示す立法事実の整理が条例案の段階で要る。任意税率は「自由に決められる」ではなく「決めた水準を自ら正当化する」方式と理解するのが実務的である。

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