ジチテン

一定税率

読み:いっていぜいりつ

意味

一定税率とは、地方税法が個々の税目について一律に定め、地方公共団体が条例で上下いずれにも変更できない税率である。

地方税税率条例でどこまで動かせるのか。この問いに答える鍵が、標準税率制限税率と並ぶ第三の税率類型である一定税率である。標準税率は通常よるべき基準であって超過課税で引き上げられ、制限税率はその上限を画すにとどまるのに対し、一定税率は引き上げも引き下げも認められず、地方公共団体に税率裁量がまったく存在しない。代表例は地方消費税であり、税率は地方税法が定める率に固定され、条例で別の率を採ることはできない。賦課事務では、まずその税目の税率がどの類型に属するかを確認しないと、超過課税の可否や減免の余地を誤って判断しかねないため、税率類型の区別は課税自主権の範囲を画定する前提となる。

三つの税率類型のなかでの位置

地方税法は各税目の税率を、標準税率・制限税率・一定税率の三類型で定める。標準税率は財政上その他の事情がなければよるべき基準的な税率で、超過課税により制限税率まで引き上げられる。制限税率は超えてはならない上限を画す。これに対し一定税率は、法律が定めた率がそのまま唯一の税率となり、条例で上下に動かす余地がない。課税自主権の観点では、標準税率の税目が最も裁量が広く、一定税率の税目は裁量がゼロに近い。地方消費税のように国の消費税と一体で賦課徴収され、全国一律の率による必要が強い税目が一定税率とされる。

制限税率の概念がないことの実務的含意

一定税率の税目には、税率の上限を画す制限税率の概念がそもそも存在しない。条例で税率を変更すること自体が認められないため、超過課税も減税条例による引き下げも観念できない。したがって、税率変更を伴う財政運営の選択肢を検討する局面では、対象税目が一定税率かどうかを最初に切り分ける必要がある。地方消費税の税率は社会保障財源の確保という政策目的のもとで法律により定められ、地方公共団体の側で税率を操作できないことが、地方消費税交付金を通じた市町村への配分設計とも結びついている。

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