ジチテン

地方税条例主義

読み:ちほうぜいじょうれいしゅぎ

意味

地方税条例主義とは、地方税の賦課・徴収は条例の定めによらなければならないとする原則である(地方税法第3条)。

地方税法は税目や標準税率の枠組みを定めるが、住民に実際に税を課す根拠は各団体の条例にある。この「条例が課税の根拠である」という原則が地方税条例主義である。地方税法第3条第1項は、地方団体は地方税の税目・課税客体課税標準税率その他賦課徴収について定めをするには当該団体の条例によらなければならないと規定する。これは憲法第84条の租税法律主義が、課税自主権を持つ地方団体においては「法律の枠内で条例が定める」形で現れたものである。標準税率を採るか超過課税を行うか、制限税率の範囲でどう税率を設定するかは各団体の条例事項であり、法定外税の創設も条例による。住民にとっては、自らが負担する地方税の具体的な内容が議会の議決を経た条例で決まることを意味し、課税に対する民主的統制の根拠となる。

法律の枠と条例の役割分担

地方税は、地方税法という法律と各団体の税条例という二層構造で定められる。地方税法は全国共通の枠組みとして、課税できる税目、標準税率、超過課税の上限である制限税率、非課税の範囲などを定める。各団体はこの枠内で、実際に課税するための具体的な定めを条例で行う。地方税法第3条はこの条例の制定を義務付けるとともに、第3条第2項で賦課徴収の手続等の細目を規則委任できる範囲も定める。標準税率は「通常よるべき税率」であって拘束力のある率ではなく、財政上の必要があれば条例で超過課税を行える。この枠と条例の役割分担が、地方の課税自主権を法律の統制下で機能させる仕組みである。

課税自主権との関係

地方税条例主義は、地方団体が自らの判断で課税内容を定める課税自主権を、議会の議決という民主的手続によって行使する原則として位置付けられる。地方税法が定める法定税のほかに、団体独自の財政需要に応じて法定外普通税法定外目的税を創設できるのは課税自主権の現れであり、その創設も条例による。ただし法定外税の新設・変更には地方税法に基づく総務大臣との事前協議と同意が必要であり、国の負担になる税や物の流通に重大な障害を与える税などは同意されない。地方税条例主義は無制約の課税権ではなく、租税法律主義の枠内で、住民代表である議会の議決を要件として課税自主権を統制する原則である。

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