ジチテン

抗告訴訟

読み:こうこくそしょう

意味

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいい、行政事件訴訟法第3条が取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為の違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟の類型を定める。

行政の処分を裁判で争おうとするとき、どの訴訟類型を選ぶかが入口で問われる。その判断枠組みを与えるのが抗告訴訟である。抗告訴訟は、行政庁公権力の行使を対象とする訴訟の総称で、行政事件訴訟法は処分の取消しを求める取消訴訟を中心に、無効等確認訴訟不作為の違法確認訴訟、一定の処分を求める義務付け訴訟、処分を差し止める差止訴訟を法定する。これらの法定抗告訴訟のほか、明文にない無名抗告訴訟(法定外抗告訴訟)の可否も論じられてきた。行政の活動が公権力性を欠く場合は当事者訴訟など別の訴訟類型によることになり、抗告訴訟と当事者訴訟の振り分けは行政訴訟実務の出発点となる。

法定抗告訴訟の類型

抗告訴訟は、行政庁の公権力の行使に対する不服を争う訴訟の総称である。行政事件訴訟法第3条は、処分の取消訴訟(第2項)、裁決の取消訴訟(第3項)、無効等確認訴訟(第4項)、不作為の違法確認訴訟(第5項)、義務付け訴訟(第6項)、差止訴訟(第7項)を法定する。このうち義務付け訴訟と差止訴訟は2004年改正で明文化されたもので、それ以前は法に定めのない無名抗告訴訟として、認められるかどうかも含めて議論されていた。義務付け訴訟には、申請に対する不作為・拒否を争う申請型と、申請を前提としない非申請型があり、要件が異なる。どの類型を選ぶかは、争いたいのが既にされた処分か、されない処分か、これからされそうな処分かによって決まる。

処分性が入口要件

抗告訴訟の対象となるには、争われる行為が「処分その他公権力の行使に当たる行為」(処分性)を備えていなければならない。判例は処分性を、公権力の主体たる行政庁が法律上認められた権限に基づき、国民の権利義務を直接形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものと解する。行政指導通達、一般的・抽象的な計画の策定などは原則として処分性を欠き、抗告訴訟の対象にならない。処分性を欠く行政の行為は抗告訴訟ではなく当事者訴訟・民事訴訟で争うことになるため、処分性の有無は訴訟類型選択の入口を画する前提問題となる。近年の判例は、土地区画整理事業計画の決定や病院開設中止の勧告などについて処分性を認め、その範囲を徐々に広げてきており、何が抗告訴訟で争えるかは固定的ではない。

つながりのある用語

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