意味
公権力の行使とは、行政が法律に基づき、相手方の意思にかかわらず一方的にその権利義務を変動させる優越的な作用をいう。
行政の活動のうち、どこまでが訴訟や国家賠償の特別なルールに服するのか――その線引きの中核にあるのが公権力の行使という概念である。行政が私人と対等な立場で結ぶ契約などとは異なり、課税処分や許可の取消し、立入検査のように、相手の同意を得ずに一方的に法律関係を動かす作用を指す。この概念は複数の場面で使われ、抗告訴訟の対象となる「処分」の範囲を画する基準となるほか、国家賠償法第1条が賠償責任を負う対象を「公権力の行使に当たる公務員の行為」と定める際の要件にもなる。国家賠償の文脈では、純粋な私経済作用と公の営造物の管理を除いたほぼすべての行政作用を含む広い意味で用いられるなど、使われる場面によって範囲が異なる点に注意を要する。ある行政活動が公権力の行使に当たるかどうかで、争い方も救済の根拠も変わってくる。
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