ジチテン

無効等確認訴訟

読み:むこうとうかくにんそしょう

別名:無効確認訴訟
意味

無効等確認訴訟とは、処分または裁決の存否またはその効力の有無の確認を求める抗告訴訟であり、行政事件訴訟法第3条第4項が定める。

出訴期間を過ぎてしまった処分でも、重大明白な瑕疵があれば争う道が残る。その受け皿が無効等確認訴訟である。無効等確認訴訟は、処分・裁決が無効であることや存在しないことの確認を求める抗告訴訟で、取消訴訟と異なり出訴期間の制限を受けない。処分に重大かつ明白な瑕疵があり当然に無効と評価される場合、相手方は期間に縛られずこの訴訟で争える。ただし提起できる者は、行政事件訴訟法第36条により、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者など一定の範囲に限られ、現在の法律関係に関する訴え(当事者訴訟など)では目的をせられない場合に補充的に認められると解されている。

取消訴訟との違い

取消訴訟は取消しうべき瑕疵にとどまる処分を対象とし、出訴期間(処分を知った日から6か月など)に服する。これに対し無効等確認訴訟は、重大かつ明白な瑕疵により無効と評価される処分を対象とし、出訴期間の制限がない。無効な処分はそもそも初めから効力を持たないため、期間で争訟を遮断する必要がないからである。したがって、出訴期間を徒過した私人が処分を争う最後の手段として無効確認訴訟が用いられることが多い。両者を分けるのは瑕疵の程度であり、瑕疵が重大かつ明白で無効といえるか、取消事由にとどまるかで、どちらの訴訟によるべきかが決まる。無効事由の主張が認められなければ、すでに出訴期間が過ぎているため取消訴訟に切り替える余地もなく、いきなり敗訴に至る点が原告にとってのリスクである。

補充性の要件

行政事件訴訟法第36条は、無効等確認訴訟の原告適格を、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者、その他当該処分の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者であって、当該処分の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限る。後段が補充性の要件である。これは、無効を前提とした給付訴訟や差止訴訟といった現在の法律関係に関する訴え(争点訴訟・当事者訴訟)で救済できるなら、確認訴訟より直截なそれらによるべきだという考えに基づく。たとえば課税処分が無効なら過納金の返還を求める給付訴訟で足りる場面では、無効確認の訴えの利益が否定されうる。もっとも判例は、もんじゅ訴訟で原子炉設置許可の無効確認について、現在の法律関係に関する訴えでは紛争の抜本的解決に適切でないとして補充性を緩やかに解し、無効確認訴訟を認めた。この補充性をどこまで厳格に要求するかが、無効確認訴訟を使えるかどうかの分かれとなってきた。

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