マンションが立ち並ぶ住宅地に、大学のキャンパスや総合病院が溶け込んでいる風景は、この地域の指定と結びつくことが多い。第一種中高層住居専用地域は、低層住居専用地域より高い建物を許し、病院・大学・高等専門学校や床面積500平方メートルまでの店舗・飲食店の立地を認める。低層住専と決定的に違うのは、10メートルまたは12メートルの絶対高さ制限がない点で、その代わり日影規制や北側斜線制限で中高層の形態を制御する。第二種中高層住居専用地域が1500平方メートルまでの店舗・事務所を許すのに対し、第一種では事務所が原則認められず店舗も500平方メートルまでに絞られる点が違いである。建蔽率は30〜60パーセント、容積率は100〜500パーセントの範囲で都市計画により定められる。
第一種中高層住居専用地域で許される病院・大学と500平方メートルの店舗
第一種中高層住居専用地域では、低層住居専用地域で認められなかった用途が一段広がる。住宅・共同住宅に加えて、病院、大学・高等専門学校・専修学校、床面積の合計が500平方メートル以内で2階以下の店舗・飲食店などが建築できる(建築基準法別表第二・は項)。低層住専が診療所までしか認めなかったのに対し、ここでは入院設備のある病院や大学が立地できる点が大きな違いである。一方で、独立した事務所や1500平方メートルを超える店舗、ホテル・旅館は原則として建てられず、住居系としての性格は保たれる。中高層の集合住宅を中心に、住民の生活と医療・教育の機能が共存する市街地が想定されている。
第一種中高層住居専用地域の高さを決める日影規制と斜線制限
第一種中高層住居専用地域には、低層住居専用地域のような10メートル・12メートルの絶対高さ制限がない。そのぶん、建物の高さは日影規制と斜線制限によって相対的にかたちづくられる。日影規制は、冬至日に隣地へ落とす日影の時間が一定を超えないよう建物の形を抑える規制で、中高層住居専用地域では主たる高さコントロール手段となる(建築基準法第56条の2)。あわせて北側斜線制限がかかり、立ち上がり10メートルを起点に勾配1.25で北側の高さが削られ、北隣の日照が守られる。絶対高さ制限がないため数値だけで上限が読めず、日影図の検討が設計の出発点になる点が、低層住居専用地域との実務上の大きな違いである。
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