地価公示とは、地価公示法に基づき土地鑑定委員会が毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を判定して公示する制度であり、一般の土地取引の指標となるほか、公共用地の取得価格算定の規準となる。
用地買収の単価も、固定資産税の評価も、突き詰めればこの価格に行き着く——地価公示は、日本の土地の値段の物差しの起点である。土地は同じものが二つとなく市場価格が見えにくいため、国土交通省の土地鑑定委員会が全国約2万6,000地点の標準地を選び、地点ごとに2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を踏まえて毎年1月1日時点の正常な価格を判定し、3月に公示する。公示価格には法律上の効力が与えられており、不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定する際の規準となり、自治体や国が公共事業用地を取得する際の価格算定の規準となり、収用補償金の算定にも反映される。相続税路線価は公示価格水準の8割程度、固定資産税評価額は7割を目途に定められるため、地価公示は税の評価体系全体の土台でもある。用地担当が鑑定書を読むときも、税務担当が評価替えに臨むときも、出発点はこの制度に置かれている。
一物四価——公的土地評価の相互関係
同じ土地に、公示地価、都道府県地価調査の基準地価格、相続税路線価、固定資産税評価額という四つの公的価格が併存し、実勢価格を加えて「一物四価」「一物五価」と呼ばれる。基軸は地価公示で、相続税路線価は公示価格水準の8割程度、固定資産税評価額は平成6年度の評価替え以降7割を目途とする均衡が図られている。都道府県地価調査は国土利用計画法施行令に基づき都道府県知事が毎年7月1日時点の基準地価格を判定して9月に公表するもので、1月時点の公示を半年遅れで補完し、同一地点を共通で評価して年間の変動を追える設計になっている。新聞の「地価上昇」の報道は3月が公示、9月が地価調査と覚えておくと、資料の時点誤りを防げる。
自治体実務での使われ方
公共用地の取得では、地価公示法第9条が公示区域内の土地の取得価格を公示価格を規準として算定すべきことを定めており、用地担当が依頼する不動産鑑定も公示価格との均衡を検証する組み立てになっている。土地収用の補償金算定でも事業認定の告示時点の相当な価格の基礎となる。税務側では、固定資産税の評価替えで標準宅地の時価を地価公示価格や都道府県地価調査価格、鑑定評価を活用して求め、路線価に展開する。標準地は地点ごとに所在、価格、土地の形状や利用状況が官報とウェブで公表されるため、庁内の土地売払いの値付けや財産評価の説明資料としても使い勝手がよい。自分の市町村に標準地が何地点あり、どの地点が最高価格かは、資産税担当と用地担当の共通の基礎知識である。
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