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ジチテン

所管事務調査

読み:しょかんじむちょうさ

意味

所管事務調査とは、地方議会の常任委員会が、その部門に属する自治体の事務について行う調査である(地方自治法第109条第2項)。議案や請願の審査と並ぶ委員会の基本権能で、付託された案件がなくても委員会の判断で行える。

議案の審査だけでは、委員会は執行部が提出したテーマしか扱えず、所管分野で進行中の課題——施設の老朽化、計画の遅れ、新制度への対応——を議会の側から取り上げる入口がない。所管事務調査は、常任委員会が付託案件と関係なく自らテーマを設定し、執行機関から説明を聴き、資料の提出や参考人の意見を得て所管分野を調べる活動で、議会が監視と政策提案の機能を果たす日常の足場になっている。

年度の初めに調査事件を議決して年間のテーマを決める議会が多く、調査の成果は委員長報告や政策提言、委員会提出議案の形で本会議に還元される。罰則付きで出頭や証言を強制できる百条委員会の調査と違って強制力はないが、特別の議決や委員会の新設を要さずいつでも動ける軽さが持ち味である。

百条調査・検査権との使い分け

議会が執行機関を調べる仕組みは三層ある。地方自治法第98条は議会自身に、書類の検閲や監査委員への監査請求による検査・監査の権限を与え、第100条は出頭、証言、記録提出を罰則付きで強制できる調査権を与える。これらが議会全体の権限であるのに対し、所管事務調査は常任委員会の権限で、対象はその委員会の所管部門に限られ、強制力もない。執行部の協力を前提に説明聴取や現地確認を重ねる平時の手段であり、疑惑の解明のように相手の協力が期待できない局面では、百条委員会の設置による強制調査へ切り替わる。日常の監視は所管事務調査、財務や事務執行の点検は検査権、強制力を要する真相究明は百条調査という役割の分担が、議会の監視機能の厚みを作っている。

閉会中の継続調査

会期不継続の原則により、会期が終われば委員会の活動も止まるのが原則だが、議会の議決により付議された特定の事件については閉会中も審査や調査を続けられる(地方自治法第109条第8項)。実務では定例会の最終日に、所管事務の調査を閉会中も継続する旨をあらかじめ議決しておき、年間を切れ目なく調査できる体制を取る議会が多い。閉会中の委員会活動には委員派遣による行政視察も含まれ、他の自治体の取組を調べて自らの政策提言につなげる手法が定着している。継続調査の議決は「特定の事件」を示して行う必要があるため、調査事件の立て方が委員会の年間の活動範囲を画することになる。

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