都市のなかの緑は、景色だけでなく防災や環境の役割も担う。緑地は、樹林や草地、公園・広場など緑に覆われた空間の総称で、都市の環境を支える基盤として計画的に守り増やす対象となる。
都市緑地法に基づき、市町村は緑の基本計画を定めて緑地の保全と緑化の方針を示す。特別緑地保全地区の指定による開発の制限、住民の合意に基づく緑地協定、都市公園の整備などが手段となる。緑地は、ヒートアイランドの緩和や雨水の保水、災害時の避難地・延焼遮断帯としての防災機能、生物多様性の保全、住民の憩いの場など、多面的な機能を一身に担う。都市計画区域では、用途地域とあわせて緑をどう配置するかが、住みよいまちづくりの要点となる。
都市緑地法と緑の基本計画
緑地の保全と緑化を計画的に進める中心的な法律が、都市緑地法である。市町村は同法に基づき、緑地の保全や緑化の目標と施策を示す「緑の基本計画」を定めることができる。この計画は、都市計画区域における緑地の配置方針を描き、特別緑地保全地区や緑化地域の指定、都市公園の整備、緑地協定の締結などの施策の土台となる。特別緑地保全地区に指定された区域では、建築や土地の形質変更などが許可制となり、良好な樹林地などが開発から守られる。緑をどこに残し、どこで増やすかを土地利用計画と一体で定める点に、この仕組みの特徴がある。
緑地が担う多面的な機能
緑地は、単なる景観上のうるおいにとどまらず、都市の安全と環境を支える基盤として複数の機能を担う。樹木や土壌は、夏の気温上昇をやわらげるヒートアイランド対策となり、雨水を一時的にためて流出を抑える保水の役割も果たす。災害時には、オープンスペースが避難地や救援活動の拠点となり、樹林帯が延焼を遮る防災機能を発揮する。さらに、多様な生きものの生息・生育の場として生物多様性の保全に寄与し、住民にとっては運動や憩いの場ともなる。これらの機能は互いに重なり合い、緑地の量と配置が都市の質を左右する。
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