ジチテン

特別緑地保全地区

読み:とくべつりょくちほぜんちく

意味

特別緑地保全地区とは、都市の良好な自然環境を形成する緑地を保全するため、都市計画法・都市緑地法に基づき建築や土地形質変更などの行為を制限する地域地区である(都市緑地法第12条)。

都市の中に残る樹林地や水辺、社寺林などの良好な緑地は、いったん開発されれば取り戻せない。これを現状のまま守るための強い規制が特別緑地保全地区である。地区内では、建築物の新築・改築、宅地造成、木竹の伐採、土地の形質変更などに知事等の許可が必要となり、許可されないことも多い。事実上の開発凍結に近い制限であるため、土地所有者には固定資産税等の軽減や、土地の買入れ申出に応じる仕組みで補償的な手当てがなされる。風致地区が景観重視の緩やかな規制であるのに対し、特別緑地保全地区は緑地そのものの現状凍結を狙う点で性格が異なる。指定にあたっては所有者との合意形成と買入れ財源の確保が課題になる。

風致地区との規制水準の違い

緑や自然環境を守る地域地区には風致地区もあるが、規制の狙いと強さが異なる。風致地区は、樹木のある良好な景観や環境を維持するため、建蔽率・高さ・壁面後退や木竹の伐採などを条例で緩やかに制限するもので、その区域内での通常の建築・居住は前提とされている。これに対し特別緑地保全地区は、緑地そのものを現状のまま凍結的に保全することを目的とし、建築や土地形質変更を原則として認めない強い制限をかける。風致地区が「緑のある環境の中で暮らす」ための規制なら、特別緑地保全地区は「緑地を開発させない」ための規制であり、両者は重ねて指定されることもある。

私権制限と買入れ・税の手当て

特別緑地保全地区の制限は強く、土地を従来どおりに利用・処分する自由を大きく制約する。そこで、私権制限とのバランスを取る仕組みが用意されている。第一に、地区内の土地について、所有者が通常の利用ができず困る場合には地方公共団体等に買入れを申し出ることができ、申出があれば原則として買い入れる。第二に、固定資産税・相続税などの負担軽減措置がある。市民が緑地を借りて管理・公開する市民緑地の制度や、管理協定で行政が管理を引き受ける仕組みもあり、所有者の負担を抑えつつ緑地を守る工夫がなされている。指定の実務では、買入れ財源の確保と所有者の同意が鍵となる。

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