農業を扱う自治体の悩みは、産業としての採算と国土・地域社会の維持という二つの要請が一つの政策分野に同居する点にある。所管は知事部局や市町村の農林水産部局だが、農地の権利移動や転用の許認可は独立行政委員会である農業委員会が担い、振興施策と規制が別の主体に分かれる。根拠の柱は食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)で、令和6年改正により食料安全保障の確保が基本理念の中核に据え直された。担い手の高齢化と耕作放棄地の拡大が進むなか、農地を意欲ある経営体へ集積する仕組みと、それを支える地域の合意形成が現場の主題となる。農業振興地域・認定農業者・農地転用・人・農地プランなど、本辞典の関連用語はいずれもこの政策分野の下位制度として位置づく。
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