農地中間管理機構とは、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)に基づき各都道府県に設置された法人で、農業者が貸したい農地を「中間的受け皿」として預かり、農地を借りたい担い手(農業法人・新規就農者等)に貸し付ける農地の貸し借りを仲介する機関のことである。「農地バンク」の通称で広く知られる。
高齢化や離農で農地を手放したい人と、規模を広げたい担い手はいても、互いに相手や条件が分からず、貸し借りは個人任せでは進まない。農地中間管理機構は、貸したい農地をいったん預かって借りたい担い手へ貸し付ける仲介機関であり、農地の出し手と受け手の間に立って分散した農地を担い手へ集約する点に意味がある(農地中間管理事業の推進に関する法律)。
「農地バンク」の通称で知られ、2014年度に設立された。都道府県の公益財団法人・公社などが指定法人として運営する。機構が借り受けることで貸し手の安心感が高まり、集めた農地を規模・形状の整った形でまとめて担い手に貸せるため面的な集積が実現し、賃料の集金・支払いを機構が代行することで双方の事務負担も軽くなる。
農地集積の仕組み
農地中間管理機構が行う農地の貸し借りは、三段階で進む。まず、農地を貸したい農業者(出し手)が機構に農地を貸す(賃借権・使用貸借権の設定)。次に、機構が農地を集約・整理する(必要に応じて換地や区画整理的な調整も行う)。最後に、機構が担い手(農業法人・個人農業者・新規就農者など)に農地を貸し付ける。農地の出し手と受け手が直接交渉する必要がなく、機構が間に入ることで「誰に貸すか分からない」という貸し手の不安を解消する。農業委員会が農地情報を機構に提供し、市区町村農林担当課が機構と連携して地域の担い手農業者の掘り起こしを行う。
活動地域計画と農地利用最適化
令和4年(2022年)の農業経営基盤強化促進法改正で「地域計画」(農業者・農地利用者が地域ごとに農地の利用の将来の姿を話し合って定める計画:いわゆる「目標地図」)が新制度として創設された。市区町村は地域計画の策定を支援し、農地中間管理機構はその計画に基づく農地集積・担い手への農地集中を推進する役割を担う。目標地図は農業委員会・農地中間管理機構・農業者の話し合いをベースに策定され、10年程度先の農地利用の姿を描く計画となる。
市区町村の役割
農地中間管理事業の実施は都道府県(機構)が主体だが、市区町村農林担当課は、農業委員会と連携した農地情報の提供や農業者への周知、農地を機構に出して面的な集積に協力した農業者への交付金である「地域集積協力金」の事務補助、融資あっせんや補助金情報の提供といった担い手農業者の経営強化支援の役割を担う。農地中間管理機構の活動と農業振興計画・農村振興施策を整合させることが市区町村農林担当課の調整機能として求められる。
ご意見箱(匿名で投稿できます)