人・農地プランとは、地域の話合いに基づき、将来の農地利用の担い手と農地の集積方針を地図化して定める計画である。令和4年の農業経営基盤強化促進法改正で法定化され、現在は地域計画(地域農業経営基盤強化促進計画)として市区町村が策定する。
農村では農業者の高齢化と後継者不足で、数年後に誰がどの農地を耕すのかが見えなくなっている。この「人」と「農地」の将来像を、集落の話合いで地図に描き出して共有するのが人・農地プランである。
もともとは平成24年度に予算事業として始まり、地域の中心となる経営体(担い手)とそこへ農地を集める方針を地域で話し合って定める仕組みだった。令和4年の農業経営基盤強化促進法改正で「地域計画」として法定化され、市区町村が10年後の農地一筆ごとの利用者を示した目標地図を含む計画を策定することが義務づけられた。策定にあたっては地域の協議の場を設け、農業者・農業委員会・農地中間管理機構・JAなどが参加して合意形成を図る。計画は農地中間管理機構を通じた農地集積・集約化の前提となり、これに沿って農地が担い手へ橋渡しされる。市区町村と農業委員会は協議の運営、目標地図の作成、計画の公告という中核的な事務を担う。
地域計画への法定化と目標地図
人・農地プランは長く予算事業として運用されてきたが、実効性の弱さが課題とされ、令和4年改正で農業経営基盤強化促進法上の地域計画として位置づけられた。これにより市区町村は、地域での協議を経て、おおむね10年後を見据えた農地一筆ごとの将来の利用者を描く目標地図を含む地域計画を定める義務を負う。目標地図は単なる方針表明ではなく、農地中間管理機構による農地の貸借や集約化の指針として機能する。法定化により、努力目標だった担い手への集積方針に実効性を持たせ、農地の出し手と受け手のマッチングを地図ベースで進める狙いがある。
協議の場と関係機関の役割分担
地域計画の策定は、市区町村が設ける協議の場での合意形成を前提とする。参加するのは農業者本人のほか、農地の権利調整を担う農業委員会、農地の集積・集約を実務で担う農地中間管理機構、営農指導や利用調整に関わるJAなどである。市区町村は協議を主宰して計画を取りまとめ、農業委員会は農地の出し手・受け手の意向把握や目標地図づくりを支える。関係機関が多いほど合意形成には時間を要するが、誰がどの農地を担うかという最も難しい調整を地域の納得のもとで進めるための枠組みである。
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