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ジチテン

妊産婦等生活援助事業

読み:にんさんぷとうせいかつえんじょじぎょう

意味

妊産婦等生活援助事業とは、児童福祉法第6条の3第18項に基づき、家庭生活に支障が生じた特定妊婦などとその児童を住居に入居させ、または事業所に通わせて、食事の提供などの日常生活の支援、養育に関する相談・助言、関係機関との連絡調整、特別養子縁組に関する情報提供などを行う事業である。

妊娠を誰にも打ち明けられず、家にも居られなくなった若年妊婦は、母子保健にも児童福祉にもつながらないまま孤立した出産に至ることがある。国の虐待死亡事例検証では心中以外の虐待死は0歳児が最も多く、生まれたその日に亡くなる0日児の事例が繰り返し報告されてきたが、その背景には支援制度の構造的な穴があった。母子生活支援施設は配偶者のない女子とその児童のための施設で、子どもをまだ持たない妊娠中の単身女性は入所できず、助産施設の支援は出産前後の助産に限られる。妊産婦等生活援助事業は、この谷間を埋めるために2022年の児童福祉法改正で創設され、2024年4月から施行された。家庭生活に支障が生じた特定妊婦やこれに類する妊産婦とその子どもに、入居と通所の両形態で衣食住と生活の立て直しを支え、出産後の養育相談から、自ら育てない選択をする場合の特別養子縁組の情報提供までを一つの事業で担う。実施主体は都道府県市町村で、若年妊婦の居場所支援を続けてきたNPOなどへの委託が想定されている。

既存施設との弁別——母子生活支援施設・助産施設

似た機能の施設と並べると事業の固有性が見える。母子生活支援施設は児童福祉法第38条の施設で、配偶者のない女子等とその監護すべき児童を保護する建付けのため、児童がまだ生まれていない妊娠中の単身女性は対象にならない。助産施設は経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦に助産を行う施設で、支援は出産そのものに限定される。妊産婦等生活援助事業は、妊娠期から出産後まで切れ目なく、住まいと食事という生活基盤ごと支える点と、入居だけでなく通所の形態も取れる点で両者と異なり、特別養子縁組に関する情報提供を業務に明記した点にも、予期しない妊娠への支援という性格が表れている。対象を特定妊婦に限定せず「これに類する者」を含めているため、認定手続を厳密な入口にせず、把握した時点で速やかに保護に入れる。

把握から保護までの実務動線

事業が機能するかどうかは、孤立した妊婦をどう見つけるかにかかっている。入口として想定されるのは、妊娠届出時のアンケートや面談で把握される特定妊婦、医療機関からの情報提供、SNSや電話の妊娠相談窓口、それに要保護児童対策地域協議会での情報共有である。こども家庭センターが相談を受けて支援計画(サポートプラン)を作り、住まいを失っている場合や家庭に戻せない場合に本事業の利用へつなぐ。経済的に困窮しているケースでは生活保護住居確保給付金、出産後は産後ケア事業乳児院への一時的な委託と組み合わせることになり、単一の事業で完結しない多機関の調整こそが行政側の実務になる。

つながりのある用語

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