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ジチテン

国民審査

読み:こくみんしんさ

別名:最高裁判所裁判官国民審査
意味

国民審査とは、最高裁判所の裁判官を罷免すべきかどうかを国民の投票で決める憲法上の制度である。各裁判官は、任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に審査に付され、その後は審査から10年を経過した後初めて行われる総選挙の際に再び審査に付される(日本国憲法第79条)。

衆議院議員総選挙の投票所では、小選挙区比例代表投票用紙に続いて、もう1枚の用紙が交付される。国民審査の投票用紙である。市区町村選挙管理委員会にとって、国民審査は総選挙と同じ日に執行するもう一つの投票事務であり、投票用紙も投票箱も開票も、選挙とは別建てで管理しなければならない。投票の方式は独特で、罷免を可とする裁判官の氏名の上の欄に×を記載し、×以外の記号や文字を書いた票は無効、何も書かなければ罷免を可としない票として数えられる。罷免を可とする票が罷免を可としない票を上回った裁判官は罷免されるが、1949年の第1回以来、罷免された裁判官は一人もいない。

罷免例がないことから形骸化の批判が絶えない一方、審査公報で裁判官の経歴や関与した裁判が紹介され、国民が司法に目を向ける数少ない機会でもある。点字投票代理投票への対応、選挙の投票用紙との取り違え防止まで、選管の現場には総選挙と二重の準備が走る。2022年には在外国民が審査に参加できない状態を違憲とする最高裁判決が出て、制度は70年余りを経て大きな手直しを受けた。

×だけを書く投票方式と棄権の扱い

投票用紙には審査に付される裁判官の氏名が印刷され、罷免を可とする裁判官の欄にだけ×を記載する。×以外の記号や文字を記載した票は無効となり、何も記載しない票は罷免を可としない票として扱われるため、白紙のまま投じれば結果として信任側に数えられる。罷免の意思だけを書かせるこの方式には、判断材料を持たない人の無記入が信任に積み上がるという批判が古くからあり、記載方式の改善論も繰り返し提起されてきた。実務上の急所は棄権の扱いである。選挙には投票するが国民審査は棄権したいという選挙人は、国民審査の投票用紙の交付を辞退するか、受け取った用紙を返すことで棄権でき、いったん投票箱に入れた票は取り戻せない。投票事務従事者は、用紙を交付する場面でこの仕組みを説明できるようにしておく必要がある。

在外審査の創設——2022年違憲判決と法改正

国外に住む日本人は長く国民審査に参加できなかった。最高裁大法廷は2022年(令和4年)5月25日、在外国民に審査権の行使を認めていない国民審査法の状態を憲法に違反すると判断した。これを受けて成立した改正最高裁判所裁判官国民審査法(令和4年法律第86号)が2023年(令和5年)2月17日に施行され、在外選挙人名簿に登録され在外選挙人証の交付を受けた国民は、在外公館投票や郵便等投票で審査に参加できるようになった。在外投票には国内の×式と異なる分離記号式の投票用紙が用いられる。あわせて洋上投票も国民審査の対象に加わり、執行する市区町村選管には、総選挙の在外投票と並走するもう一系統の事務が生じている。

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